2013 Fiscal Year Annual Research Report
マイノリティの学力向上のための保護者・コミュニティ・学校の連携のあり方
Project/Area Number |
12J05035
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田村 徳子 京都大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 校長任用制度 / 学校参加 / ブラジル / ラテンアメリカ / 初等教育 / 管理職採用制度 / 校長 / 民主化 |
Research Abstract |
2か年の研究計画の最終年度にあたる平成25年度は、昨年度に引き続き、Joyce L. Epsteinの保護者・コミュニティ・学校の連携理論に関する文献(日本語・英語・スペイン語)の収集・分析をおこなうとともに、ブラジルにおける保護者・コミュニティ・学校の連携として、児童生徒、保護者、教職員による校長直接選挙に着目し、現地調査を実施した。後者に関しては、ブラジルパラ州を対象とし、パラ州教育局、ベレン市教育局、イガラペアスー市教育局で関連情報の収集をおこなうとともに、州立およびベレン市立の全初等中等学校の校長を対象にアンケート調査をおこなった。 本年度の研究成果としては、校長直接選挙制度を含めたブラジルにおける校長任用制度を分析した「ブラジルの公立学校管理職採用制度のあり方」(京都大学大学院教育学研究科紀要第60号)、パラ州イガラペアスー市における校長直接選挙について、学校の議事録をもとに分析した「ブラジルにおける校長直接選挙の意義と課題」(教育行財政研究第41号)がある。また、校長直接選挙における児童生徒・保護者の制度上の参加規定に関して、58th Annual Conference of the Comparative and International Education Societyにおいて発表するとともに、こうした校長直接選挙とは全く異なる校長任用制度を取り入れているサンパウロ州に関して第41回アジア教育研究会で報告し、校長任用をめぐる民意の尊重と専門知識の尊重に関する議論を提示した。なお、パラ州でおこなったアンケート調査に関しては、平成25年度現在、回収中であるため、分析結果の報告は次年度となる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2か年の研究計画のうち最終年廉になる今年度は、年度当初に立てた計画に加え、ブラジルの校長直接選挙に関する制度的分析を深めることができた。今年度おこなったブラジルパラ州でのアンケート調査の分析については、来年度の課題となるが、関連情報の収集・分析を通じて、おおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究で収集した文献資料やデータを精緻化するとともに、理論と関連をづけながら、保護者と地域住民参加型のブラジルの校長任用制度に関する博士論文を完成させる予定である。
|
Research Products
(4 results)