2012 Fiscal Year Annual Research Report
インテグリンを介したドパミンニューロンによる線条体神経支配の再生と機序解明
Project/Area Number |
12J05109
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
脇田 誓子 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | パーキンソン病 / ドパミンニューロン / 線条体神経支配 / インテグリン |
Research Abstract |
インテグリンα5β1の神経支配における関与、そして中脳黒質から線条体へのドパミン(DA)ニューロンの軸索誘導ならびに線条体神経支配を促進させる補助因子の解明を試みた。 DAニューロンに存在するインテグリンα5β1の神経支配における関与は、免疫染色による観察およびα5サブユニットのノックアウトによる神経支配め阻害により明らかとした。インテグリンα5β1を発現したDAニューロンの細胞移植を視野に入れ、マウスES細胞への遺伝子導入を試みたが、サイレンシングのためタンパク発現は観察されなかった。一方で、線条体神経支配を促進させるための補助因子の解明を試みた。コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSPG)は、発達過程で線条体に存在することや、インテグリンβ1のシグナル伝達への関与が報告されている。しかし、コンドロイチン硫酸を分解するコンドロイチナーゼはDAニューロンによる線条体神経支配を阻害せず、CSPGの神経支配における関与は小さいことが示唆された。しかし、新たなDAニューロンの軸索伸長促進因子としてAMP依存性プロテインキナーゼ(AMPK)/mTOR経路を、非特異的なプロテインキナーゼ阻害薬であるスタウロスポリンの突起伸長に対する影響とその機序を解明することにより見出した。 本年度中の検討により、DAニューロンに存在するインテグリンα5β1が線条体神経支配において重要であることを明らかとした。そして、中脳黒質に移植したDAニューロンの軸索誘導ならびに線条体神経支配を促進するために有用な因子として、AMPK/mTOR経路を見出した。得られた結果は細胞治療の実現に対して重要であると共に、発達過程の脳における軸索誘導のメカニズムの解明や、パーキンソン病における新たな治療ターゲットとしても応用することができる有用な知見である。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Isolation, identification, and biological evaluation of Nrf2-ARE activator from the leaves of green perilla (Perilla frutescens var. crispa f. viridis).2012
Author(s)
Izumi, Y., Matsumura, A., Wakita, S., Akagi, K., Fukuda, H., Kume, T., Irie, K., Takada-Takatori, Y., Sugimoto, H., Hashimoto, T., and Akaike, A.
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Journal Title
Free Radic Biol Med.
Volume: 53
Pages: 669-679
DOI
Peer Reviewed
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