2014 Fiscal Year Annual Research Report
動機づけられる対象の違いが目標達成時の認知制御の負担に及ぼす影響
Project/Area Number |
12J05193
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
後藤 崇志 京都大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 自律性 / 認知制御 / 自己制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、動機づけの自律性と自我枯渇に着目した研究を行った。動機づけの自律性はある行動をとる価値が自己の内面と統合されている程度を指す、研究計画における「動機づけられる対象の違い」に対応する概念である。他方の自我枯渇はひとたび認知制御を働かせることによって後続の場面で認知制御が阻害されてしまっている状態を指す。認知制御の効率性は自我枯渇を引き起こす程度によって推察されるものであり、研究計画における「認知制御の負担」が反映された概念である。 両概念の関係性としては、自律性が高いほど自我枯渇が抑えられることで自己制御を達成しやすいことが知られる。しかしこれらの背景処理については明らかでない部分が多い。自律性が自我枯渇を抑えるメカニズムの検討は、研究計画で目標としていた「動機づけられる対象の違い」が「認知制御の負担に及ぼす影響」について心的なメカニズムの観点から解明することとも関連している。昨年度に引き続き、動機づけの自律性が高いほど自我枯渇が抑えられ、目標を達成しやすくなるメカニズムについて予備実験を実施したが、実験間で結果が一致しない部分もあり、本実験に進めることができなかった。今後は、より仮説を精錬させ、統制された実験状況を設定して実験を進めていく必要がある。 他方で、並行して自律性と自己制御との関連について、いくつかの観点から検討を行った。自律性に関わる信念である自由意志信念の測定尺度を開発し、自己制御との関連について調査・実験の両面から検討した。また、自己統制の求められる状況で生じる後悔感情が、動機づけの自律性の獲得にどのような役割を果たしているかについて、縦断調査や、経験サンプリング法を用いて検討した。これらの研究結果より、自律性が自己制御において果たす役割についての知見を深めることができた。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(16 results)