2013 Fiscal Year Annual Research Report
RFバイアススパッタ法を用いた六方晶系圧電薄膜の結晶配向制御とc軸平行膜の創製
Project/Area Number |
12J05255
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
髙柳 真司 同志社大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 酸化亜鉛 / 窒化アルミ / 結晶配向制御 / イオン照射 / スパッタ成膜 / c軸平行膜 / 横波モード薄膜共振子 / 弾性表面波デバイス |
Research Abstract |
本研究は圧電軸(以下、c軸)が基板面に対して平行かつ一方向に揃った六方晶系圧電薄膜(以下、c軸平行膜)を形成し、横波モード薄膜共振子を開発することを目的としている。前年度では、スパッタ成膜中に基板へRFバイアス電力を印加する方法(以下、RFバイアススパッタ法)を用いて基板へのイオン照射を増大させることで、c軸平行ZnO膜[(11-20)面配向膜や(10-10)面配向膜]が形成されることが判った。 当該年度では、まずRFバイアススパッタ法における成膜条件を検討した。その結果、2MHz、50WのRFバイアスを基板に印加しながら成膜することで、良好な(10-10)面配向ZnO膜が形成されることが判った。そこで、電極/ZnO膜/電極/基板の共振子構造を作製し、ネットワークアナライザにより高周波電界を印加したところ、横波の励振が確認された。そして、この共振子の電気・機械エネルギーの変換損失から、薄膜の圧電性の指標となる電気機械結合係数k_tを推定したところ、0.17となった。これは単結晶の値(0.26)と比較して65%の値となっている。このような横波モード薄膜共振子は、液体中で抗原抗体反応等の分子の吸着・脱離を検出できるセンサやなどに応用することが可能である。 さらにc軸平行膜の新たな応用として、フランスの研究機関との共同研究によりLamb波デバイスを試作した。実際に作製したデバイスの挿入損失を測定し、Lamb波の励振を確認した。Lamb波デバイスにc軸平行膜を用いると、理論上、10%を超える大きな電気機械結合係数K^2を得ることができる。今後、さらに試料を作製してデバイスの性能を評価し、磁気センサ等への応用展開も考えている。 またZnOと同じ六方晶系に属するAINについても同様に、RFバイアススパッタ法を用いることで結晶配向制御が可能で、c軸平行膜が形成されることが判った。他の結晶系の材料に対しても応用を検討することで、新たなデバイスについても発展が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(8 results)