2013 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体品質管理に関わるジスルフィド結合還元カスケードおよびERAD経路の解明
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12J05256
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
萩原 誠智 東北大学, 多元物質科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 小胞体 / 品質管理 / PDIファミリータンパク質 / レドックス / 結晶構造解析 / 小胞体レドックス環境 / ライブセルイメージング |
Research Abstract |
小胞体における新規合成タンパク質の品質管理に興味を持ち研究を遂行している。今年度はPDIファミリーおよびPDIファミリーの酸化酵素に着目し、各タンパク質がどのように相互作用し基質のフォールディングを促進しているのかを調べた。PDIファミリータンパク質はジスルフィド結合の酸化・還元・異性化(以後、レドックスと呼ぶ)を担うチオレドキシン様ドメイン(以後Trxドメイン)を持ち、小胞体に局在するタンパク質の総称である。PDIファミリータンパク質の中でも特に研究が進んでいる5つのタンパク質PDI、ERp57、ERp72、ERp46、P5および、それらタンパク質の酸化を担う酵素PRK4に着目し、基質に対する反応性および特異性についてin vitroおよびin vivoの系を用いて研究を行った。本研究によりin vitroの系でERp46とP5はPRK4との結合性、反応性が高く、酸化反応に特化しており、基質に対しランダムであるが迅速にジスルフィド結合を導入することを明らかにした。更にはPRX4とP5とのX線結晶構造を解く事で2因子間での相互作用様式を明らかにした。一方でPDIは酸化反応はP5やERp46に比べ遅いものの、基質に対して正確にジスルフィド導入をし、また誤ったジスルフィド結合に対しては異性化反応により、その架け直しを行うことを明らかにした。さらに細胞においてもPRX4に対してERp46とP5が優位に結合していることを明らかにした。ここまでのデータをまとめることで論文を1報国際誌に発表した。また、PDIファミリーによる基質の酸化反応と小胞体レドックス環境の関係性にも興味を持ち研究をすすめた。そのために小胞体レドックス環境をモニターできる改変型GFPであるeroGFPを導入した。現段階でeroGFPによる小胞体レドックス状態のモニターに関して最適化を行った。顕微鏡を用いたライブセルイメージングおよび生化学的手法での検出に関し最適化までを完了させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現段階で1報の論文を第一著者の一人として提出できたことは評価できると判断している。また、現段階で第一著者として論文投稿準備中のものが1報、共著者として論文投稿中のものが1報あり業績としては十分なベースであると考えている。一方で今後は当初の研究実施計画とは異なる研究を進めていくことになり(理由は以下の推進方策に示す)、予定していた研究の目的とは異なるため、この評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に関しては一部変更が生じた。研究の目的を達成および発展させる為、海外トップクラスの研究室に留学することにした。現在の環境において当初予定した研究も継続していくが、更に興味深い研究内容が見つかり、そちらを優先的に研究することにしたためである。ただ、研究の目的が完全に変わったわけではなく、本研究課題『小胞体品質管理に関わるジスルフィド結合還元カスケードおよびERAD経路の解明』の中で特にERAD経路に着目し、その詳細を研究していく。
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Research Products
(2 results)