2013 Fiscal Year Annual Research Report
オルタナティヴなき政治空間の生成:移行期ロシアにおける政党政治の展開をめぐる研究
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12J05263
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
油本 真理 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 選挙民運動 / 社会政策 / 言説 / 政党政治 / ロシア |
Research Abstract |
採用第二年目の課題は、(1)博士論文において取り扱った地方レヴェルにおける政党形成プロセスについての研究をさらに進めること、(2)これまでの研究では十分に明らかにすることができなかった、政治エリートと一般住民との関連についての研究を進めること、の2点にまとめることができる。第一の課題については、2013年3月に提出した博士論文について、その関連テーマの英語論文の執筆を進めた。その成果の一つとなったのが、Fifth East Asian Conference on Slavic Eurasian Studiesにおいて発表した"The Role of Regional Elites in Establishing the 'United Russia' : Saratov, Samara and Ul, yanovsk, from the Mid-2000s to 2011"というペーパーである。ここでまとめた内容をブラッシュアップし、英文ジャーナルへの投稿を目指したい。また、それと同時に、博士論文全体の内容について複数回の学会・研究会報告を行い、そこで得られたフィードバックを参考にしながら改稿作業を進めた。改稿作業においては、序章のまとめ方を大幅に変更することにより、専門外の読者にもわかりやすい内容にすることを目指した。また、このプロセスにおいて、ロシア政治における選挙民動員のメカニズム等、本研究課題にも直結する研究課題についての理解を深めることができた。第二の課題としては、2013年9月のモスクワ出張の際に一定の収穫があった。とりわけ、社会政策などの選挙に直結する政策領域について、言説が重要な役割を果たしていたという点が重要である。出張中は社会政策やそれを取り巻く言説に関する資料を収集した。以上述べてきたように、本年度は、本研究課題の鍵となるいくつかのテーマについての考察を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標としていた博士論文や論文の公刊に至るには時間がかかる見込みである。また、社会団体や陳情の実態についても、その全容解明にはさらなる調査・研究が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き、論文の公刊に向けた改稿作業に取り組むと同時に、現地で収集した資料の分析や新たな資料の収集に力を入れていきたい。
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Research Products
(3 results)