2013 Fiscal Year Annual Research Report
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12J05354
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高山 健一 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012 – 2014-03-31
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Keywords | 超対称性 / 弱い階層性問題 / グラビティーノ問題 / アノマリー伝達 |
Research Abstract |
超対称性は、標準模型の階層性問題を解決するなど多くの魅力がある模型であるが、未だに実験的な兆候はない。また近年のヒッグス粒子の発見によって、超対称性の破れのスケールが少なくとも数TeV程度にあると予想されている。これによって弱い階層性問題がより深刻になっている。また宇宙論からの制限としてグラビティーノ問題があるが、これは一般的に超対称性の破れのスケールが小さいほど深刻になり、弱い階層性問題と相反する傾向にある。 私たちは、グラビティ伝達とアノマリー伝達が共存し、アノマリー伝達の寄与がある程度大きいことによりグラビティーノ問題が発生しないような状況を考える。このとき、グラビティ伝達の量子補正の寄与はアノマリー伝達の寄与によってある程度相殺され、見かけのカットオフスケールが小さくなる。このような状況はミラージュ伝達模型によく似ているが、私たちの模型ではミラージュ伝達のように特別な境界条件ではなく、より一般的な境界条件の適用が可能となる。これによって、例えばE6×SU(2)大統一理論に基づいた自然な超対称スペクトラムが適用でき、また将来的に超対称粒子の質量を測定することができれば、D項を含んだ大統一理論の兆候を直接観測できる可能性を持っている。A項も同様に自由度があるので、ストップ質量を大きくしすぎることなくヒッグスが重くなるようなA項を実現することも可能である。またこの模型では、ヒッグス場の量子補正が小さくなることに合わせて、2つのストップ質量が縮退する傾向にあるといった特徴もある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本模型の特徴から、E6×SU(2)超対称大統一模型をLHC実験における情報から検証できる可能性が新たに1つ追加された。したがっておおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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