2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロティック弦によるワープコンパクト化-Taub-NUT結晶による方法-
Project/Area Number |
12J05404
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
矢田 雅哉 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 超弦理論 / ヘテロティック弦 / GLSM / toric Calabi-Yau |
Research Abstract |
本研究はヘテロティック弦理論より素粒子現象論的な模型を造ろうとする試みの中でも、特にブレーンの活用に主眼を置いたものである。課題名にもあるTaub-NUT結晶は我々が2011年に発表した論文[H, Imazato, S. Mizoguchi, M. Yata (2011)]から採ったものでコンパクト化のためにバルク中に格子状に並べたNS5-プレーンのそれぞれの上にE7のゲージ群を持つカイラルフェルミオンが1世代局在化する模型の事を云う。この模型ではNS5-ブレーンが中心的な役割を果たすのだが、それと双対な関係にあるCalabi-Yau多様体は模型のもう一つの側面として重要である。2枚のNS5-ブレーンが平行に並んだ系と双対な空間はEguchi-Hanson空間であることが良く知られているが、本年度の研究はこのEguchi-Hanson空間をGauged Linear Sigma Model (GLSM)により再現したものである。同様な研究は今までも行われているのだが、この研究で強調したいのは2次元の場の理論を構築する際に用いた情報としてtoric電荷のみを用いている点にある。ToricによるCalabi-Yau多様体の構成はその直感的な表現性から良く研究されているが、具体的な幾何とのつながりは代数的な議論が主であった。本年度の研究ではtoric電荷によりGLSMのD-termの指定を行いこれにF-termを加えることでIR極限で正しい非線形シグマ模型が得られるようにした。この過程はすべてシステマティックに行えるようになっており、toricで表すことができる4次元多様体ならばEguchi-Hansonにかかわらず同様に再現できる。この研究は今まであまり知られていなかったtoricによる代数幾何と具体的な微分幾何の間をつなぐものであり、toricという様々な分野で用いられる情報に特化したものであるので今後の研究の発展が期待される。特に、今の段階では4次元多様体しか言及できないが将来的には6次元でもtoric電荷のみから計量の再現をできるようにすることが目標であり、具体的な重力解としてtoric Calabi-Yauを扱うことは関連分野の研究の進展に大いに期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(1 results)