2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J05405
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
石田 祥子 東京理科大学, 理学研究科数学専攻, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 準線形退化ケラー・シーゲル系 / 局所エネルギー解の存在 / 解の爆発 / 大域的弱解 |
Research Abstract |
本研究の目的は拡散項がべき乗(準線形退化)型のケラー・シーゲル系(KS)について以下を明らかにすることである. 研究A:問題(KS)において優臨界の時に解が爆発すること 研究B:問題(KS)の一般化し,その可解性を調べる(拡散項,凝集項をより一般の形にする) 研究C:一次元における問題(KS)の臨界または優臨界での可解性 研究D:問題(KS)の近似問題の見直し 特に平成24年度は上記の研究A,研究Cを解決することを目標としていた. 本年度の成果を上記の項目に分けてその概要を記す. A)解のノルムの一階導関数を近似パラメータに無関係に評価する新しい方法により,時間局所的なエネルギー解の存在を示すことに成功した.この局所エネルギー解の存在と"解のエネルギーを用いる証明方法"(Ishida-Ono-Yokota(to appear)における手法)により,負の大きなエネルギーを持つ初期値に対するすべての球対称なエネルギー解は有限時間または時間無限大で爆発することを示せた. B)一般化した問題に対して解の一階導関数の評価を得た.この評価は解を大域的に延長する際に必要となる評価である.証明は先行研究であるSugiyama(2007)と同様にベルンシュタインの方法による.しかし,切断列の構成法など先行研究とは異なる部分も多く,より精密な議論を行っている.本研究により,一般化した方程式に対して統一的に解の一階導関数の評価を扱うことができたので,今後の研究の発展に大いに役立つと考えられる. C)1次元における臨界または優臨界の場合については近似問題を変更することにより,より単純な議論で大域可解性を示すことができた.さらに,2次元以上では近似問題の変更とBesov空間の導入により,大域的弱解をもつ初期値の空間を先行研究(Ishida-Yokota, (2012)より広げられた.
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Research Products
(9 results)