2012 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャルコミュニケーション情報を用いたウェブ情報検索の研究
Project/Area Number |
12J05417
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
莊司 慶行 京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 情報検索 / ソーシャルサーチ / 多様性 |
Research Abstract |
本年度は,"ソーシャルコミュニケーション情報を用いたウェブ情報検索の研究"として,ソーシャルコミュニケーションに現れる社会的な繋がりのパターンを考慮する"多様性に基づくウェブ検索ランキング"および,ウェブ上のリソースに現れない読者の反応を活用する"人間のポーズを考慮する検索"の2種類の方向での研究の拡張を行い,研究を進展させた. "多様性に基づくウェブ検索ランキング"の研究では,ウェブページ間のリンクを読者からの反応として捉え,リンク元ページ群がとりあつかう内容がどれだけ多様かによってリンク先のウェブページの性質を推定する手法を提案し,被験者を用いた実験を行った.研究を通して得られた大きな知見として,(1)リンク元のページ群の内容がそれぞれ異なり多様だった場合そのページは読者層が広く万人受けする内容である,(2)リンク元のページ群の内容が似通っており画一的で,なおかつリンク先ページと近い話題の場合そのページは読者層が狭く専門的な内容である,という2点が挙げられる.本研究内容については,1件の査読付きワークショップ,および1件の査読なしワークショップにて論文発表を行った. "人間のポーズを考慮する検索"の研究では,カメラと赤外線を用いて人体の関節位置を検出可能な装置"Microsoft Kinect"を用いることでユーザの検索時の反応を検索に利用することを目的とし,その一環としてポーズそのものをクエリとして入力可能な検索システムについて提案を行った.当研究は今後論文化予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ウェブコミュニケーションのウェブ情報検索への活用について,昨年度まで研究を行っていたモデルでは,「どのような反応がついたか」のみを対象としており,ウェブ上でのコミュニケーションを十分に検索に活用しているとは言い難かった.本年度はソーシャルコミュニケーションの情報を理解する上で極めて重要な多様性という概念に着目し,情報学分野に留まらない複数の分野の先行研究の調査を行い,情報検索に活用可能な多様性に基づくモデルを作成し,実際に評価実験を行い,2件の学会発表を行うに至ったため,研究はおおむね順調に進捗していると判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究では,ウェブページを対象とし,あるページをリンクするページ群の多様性からページの性質を判断する研究を行った.今後はウェブページ間におけるリンクだけに留まらず,より多くの要素に基づく多様性をモデル化の対象とする.例として,著者の年齢層や出身地等に基づく多様性に基づくページの性質推定や,ウェブページ以外を対象とする検索などについて研究を行う.また,本研究ではウェブ上のリソースについて多様性を論じているが,それらが実際に社会的な多様性を反映しているかについて考慮していない.クラウドソーシングや,多人数の被験者を伴う実験等も行い,より高度な分析を行う予定である.
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Research Products
(2 results)