2013 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャルコミュニケーション情報を用いたウェブ情報検索の研究
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12J05417
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
庄司 慶行 京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2014-03-31
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Keywords | 情報検索 / ソーシャルサーチ / 多様性 |
Research Abstract |
本年度は、"ソーシャルコミュニケーション情報を用いたウェブ情報検索の研究"について、従来のリンク解析的アルゴリズムとの差異に関して研究の整理を行い、「リンクのもつ社会的背景に着目したウェブ情報検索」としたうえで、昨年度以前の研究であるリアクションをクエリとする情報検索について発展的に研究を継続するとともに、「多様性に基づくウェブ検索ランキング」の研究について1件の査読付きワークショップでの発表ならびに1件の国際会議での発表を行った。 近年ウェブ情報検索分野において主流になりつつあるリンク解析アルゴリズムがリンクの本数や流量といった量的な特徴に基づいた計算を行うのに対し、「何故ページがリンクされているのか」、「どのようにページがリンクされているのか」など、リンクのもつ社会的背景について考慮するリンク解析的ウェブ情報検索アルゴリズムを提案した。 本研究では、「何故そのページはリンクされたのか」についてソーシャルメディア上のリアクションを用いてそのページが読者にどのような印象を与えるかを推定する「リアクションをクエリとするWeb情報検索」、「そのページはどのようにリンクされたのか」についてリンクの多様性を考慮することでウェブページがどの程度広い層に受け入れられているかを考慮する「多様性に基づくウェブ検索ランキング」とそれぞれ個別に研究を行った。 「多様性に基づくウェブ検索ランキング」の研究では、同数のリンクを得ているページでも、どのようなページ群から参照されているか、どのようなページ群を参照しているかによって、そのページの性質が大きく異なると考え、従来のリンクの本数のみを考慮するHITSアルゴリズムに多様性の観点を組み込んだ「Diversity-based HITS」を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は本研究テーマに関する論文が1件の査読付き国際会議(Soclnfb2013)、ならびに1件の査読付き国際ワークショップ(iDB2013)へそれぞれ採録されており、研究内容が十分に成果に結びついた。 また予定していた研究全体の位置づけおよび総括について、リンクの理由とリンクのされ方という切り口で「リンクのもつ社会的背景に着目したウェブ情報検索」としてまとめた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度および今年度研究を行った「リンクのもつ社会的背景に着目したウェブ情報検索」について、継続的に研究を行う。リンクの理由、リンクのされ方に基づく情報検索の研究に関して、用いるデータセットや対象とする領域、用途による研究の発展が考えられる。より大規模な評価実験も含めて継続的、発展的に研究を続ける。 今後、「何故」「どう」リンクされているかに基づくこれらの研究に次いで、どのようなユーザがリンクをしているか(「誰が」)に着目した、参照者の専門性に基づく情報検索について研究を行う。
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Research Products
(3 results)