2013 Fiscal Year Annual Research Report
イネ白葉枯病菌タイプIIIエフェクターを用いた新奇な植物免疫機構の解明
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12J05437
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
石川 和也 近畿大学, 農学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | タイプIIIエフェクター / イネ白葉枯病 / イネ / E3ユビキチンリガーゼ |
Research Abstract |
これまでに、Xoo3222の標的因子としてE3ユビキチンリガーゼであるOsPUB44を同定している。OsPUB44のイネの免疫応答における機能を解析するために、OsPUB44発現抑制体を作出した。OsPUB44発現抑制体に、PGNおよびキチン処理を行い防御応答因子の発現量について解析を行った。その結果、OsPUB44発現抑制体では野生株と比較して、これらの処理時に防御応答因子の発現誘導が抑制されていた。さらに、OsPUB44発現抑制体にタイプIII分泌システムが欠損したイネ白葉枯れ病XoohrpX変異株を接種した結果、野生株と比較してOsPUB44発現抑制体では菌数の増大が認められた。このことから、OsPUB44は、PTIおよびPGN、キチンによって誘導されるイネの防御応答を正に制御することが明らかになった。 次に、Xoo3222はOsPUB44の酵素活性に重要なU-boxドメインと相互作用し、その活性を阻害することがin vitroで明らかになっている。これまでに、いくつかのPUBは自分自身をユビキチン化することにより自身のタンパク量を調節することが報告されている。そのため、イネの培養細胞でXoo3222を過剰発現させたXoo3222過剰発現株にPGNおよびキチン処理を行い、OsPUB44の発現量を野生株と比較した結果、PGNおよびキチン処理時におけるOsPUB44の発現量は、野生株と比較してXoo3222過剰発現株で蓄積していた。このことから、in vivoにおいてもXoo3222はOgPUB44の活性を阻害することが示唆された。これまでに、タイプIIIエフェクターが酵素活性に重要なドメインに直接作用することによって、その活性を制御することは報告されていない。このことから、Xoo3222によるOsPUB44の阻害機構は新奇のタイプIIIエフェクターによる阻害機構であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エフェクターによる植物免疫阻害機構および標的因子の機能も明らかにした。 さらに、その相互作用の特異性も明らかにし、これらを現在論文投稿中である
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Strategy for Future Research Activity |
OsPUB44の標的因子の探索およびOsPUB44によるユビキチン化の解析を行う。 OsPUB44の標的因子の発現抑制体を作出し、植物免疫におけるOsPUB44の標的因子の機能について解析を行う。
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Research Products
(7 results)