2013 Fiscal Year Annual Research Report
知的障害児と発達障害児のパーソナリティについての研究
Project/Area Number |
12J05482
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
平田 正吾 千葉大学, 教育学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 知的障害 / 自閉症スペクトラム障害 / パーソナリティ特性 / 障害特性 |
Research Abstract |
本年度の前半では、昨年度まで行っていた知的障害児・者におけるパーソナリティ特性の一つである衝動型―熟慮型の認知スタイルと、運動調整能力の関連についての研究を総括し、関連する学会誌に論文を投稿した。 本年度は、代表的な発達障害の一つである自閉症スペクトラム障害(ASD)を取りあげ、その心理学的諸能力の個人差とパーソナリティ特性や障害特性の関連についての分析に主眼を置いた。知的障害のない自閉症スペクトラム障害児を対象として、認知、運動、社会性の3領域から心理機能の個人差を総合的に評価する一方で、面接法や質問紙法によるパーソナリティ特性や障害特性についての調査を、対象児や対象児の保護者に行った。その結果、ASD児においては自閉症特性の高い者ほど、運動機能が低く「不器用」とされる傾向にあることが、まず明らかとなった。こうしたASD児における社会性障害と運動機能障害の関連から、両者の背景には共通の因子が存在すると考えられ、現在この点について、特に「内部モデル」の機能不全という観点からの解析を進めている。また、本年度はASD児における気質の個人差について、国際的によく知られた質問紙法による性格検査であるEATQ-Rや関連する尺度を用いて評価すると共に、心理機能や行動的問題との関連にっいて検討した。その結果、ASD児においてはEffortful controlの水準が低い児ほど、行動的問題の程度が強くなる傾向にあることなどが明らかとなった。現在、こうした気質の個人差と心理機能、及び自閉症特性の関連について、新たに考案した課題を実施しつつ解析を進めている。更に、本年度は脳性マヒ児や小児がん経験児の心理機能についての研究動向を概観し、障害児におけるパーソナリティと心理機能の関連について、より総合的かつ包括的に把握するための知見を収集した
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究目的について、計画通りに研究を遂行することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(6 results)