2012 Fiscal Year Annual Research Report
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12J05623
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水谷 慎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 粉末成形体 / 粉体解析 / 弾性体解析 / 衝突解析 |
Research Abstract |
1.粒子法を用いた粉体-弾性体連成解析手法の開発 薬品錠剤や食品、原子燃料、再処理施設から生じる廃棄体のように、粉末を固めて形状を与えたものを粉末成形体と呼ぶ。成形プロセスの一部である撹拌や輸送のプロセスにおける、粉体と構造物との相互作用の挙動解析を行うために、既存の粉体解析手法と弾性体解析手法を組み合わせることで、粉体-弾性体連成解析手法を開発した(学会発表1,2)。この解析では、矩形容器内に充填した粉体層を、弾性体で構成される撹拌翼によって撹拌するシミュレーションを行い、粉体との接触によって弾性体に働く応力や、粉体層の速度分布、移動量などの情報を取得した。数値解析の精度検証を行うために、実験装置を設計、作成した。今後は実験と同スケールの数値解析を行い、実証実験の結果との比較を行っていく。 2.開発した連成解析手法を利用した粉末成形体の衝突シミュレーション 1.で開発した連成解析手法を用いて,タブレット形状の粉末成形体を壁面に衝突させるシミュレーションを行った。 生産現場において破損率の異なる二つの形状のタブレットを弾性体でモデル化し、粉体解析手法と同様の方法でモデル化した壁面に衝突させることで、形状が破損率に与える影響を評価した。解析の結果、破損率に影響を与えるのは成形後の形状そのものではなく、粉体を圧密して成形する過程に形状による差異が影響することが示唆された。今後は破損率の違いをより深く追及するために、粉末成形過程に注目した解析を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
粉末成形体の数値解析のための衝突解析手法の基礎を確立した。 粉末成形プロセスのひとつである粉末の撹拌を、数値解析を用いて模擬することが可能であることを示した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究は、線形弾性体を仮定して行ってきたが、実際の成形体の応力ひずみ関係は非線形であることが多く、また変形の度合いが大きい場合は塑性変形を伴うこともある。そのため、今後は応力ひずみ関係に弾性体以外のモデルを組み込めるようにプログラムを改良し、またその解析の精度検証を行う。
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Research Products
(3 results)