2013 Fiscal Year Annual Research Report
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12J05623
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水谷 慎 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 粉体―弾性体連成解析 / 粒子法構造解析 / 線形弾性体 |
Research Abstract |
粉末成形体の成形プロセスには、撹拌や輸送といったプロセスが含まれる。粉体と構造物との相互作用の挙動を解析するために粉体―弾性体連成形跡手法を昨年度開発した。当該年度は、粉末―弾性体連成解析手法の実用化に向けて、昨年度は解析手法の確立に主眼を置いたが、当該年度は実験との比較による精度検証を中心に研究を行った。実験では、矩形容器内に充てんした粉体層を、弾性体であるゴムの撹拌翼によって撹拌した。実験の様子はハイスピードカメラを用いて撮影した。その後、撮影した動画からゴムの変位量を取得した。ゴムの変位量は、撮影した動画から複数枚の画像を抜き出し、手作業によって測定した。これは、数百枚から数千枚に及ぶ画像をすべて手作業で処理することは現実的ではなく、また画像処理を自動化するためには数値解析とは別な特殊な技術が必要になるため、今回は十数枚の画像を処理するにとどまった。この変位量という実験データの取得に当たって、数値解析では解析中のすべての情報が数値情報として記録されるため、弾性体の変位の連続的な変化を計測することができた。この点において、数値解析の有用性が確認できた。ただし、実験と数値解析ではゴムの硬度の違いによる変位の差に相関こそ見られたものの変位量の絶対値は一致しなかった。これは、実際のゴムが非線形挙動を見せるのに対し、数値解析に用いた構成方程式が線形弾性体モデルであったためだと考えられる。この実験と数値解析の比較から、本年度の課題として数値解析への非線形弾性体モデル導入の重要性が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発した粒子法による粉体―弾性体連成解析手法の精度検証を行い、有用性と課題を明確にした。
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Strategy for Future Research Activity |
数値解析へのより実験に即した構成方程式を導入する。実験に用いられている撹拌翼はゴムで構成されているため、非圧縮等方性非線形弾性体構成方程式であるNeo-Hookeanモデルを導入する。一軸引張解析を行い、応力ひずみ関係と非圧縮性を理論値と比較することで、モデルの妥当性を検証する。妥当性を検証した後に、改めて矩形容器内のゴムによる粉体層撹拌解析を行い、実験結果と比較することで、粉体―弾性体連成解析手法のさらなる精度検証を行う。
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Research Products
(3 results)