2013 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンブラックの形態制御を目指したマルチスケール解析手法の実現
Project/Area Number |
12J05666
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野 公徳 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | カーボンブラック / 詳細化学反応機構 / 修正セクショナルモデル / CCAモデル / 反応器の開発 / 衝突判定 / 粒子核 / 粒径分布 |
Research Abstract |
タイヤの転がり抵抗は, 主にゴム・カーボンブラック(CB)からなる複合材料の変形に起因する. なかでも充填剤であるCBの凝集体形状, 一次粒子径などの形態は複合材料の変形を制御する重要な因子である。そこで, CBの形態を目的に合わせて任意に制御する技術の確立が急務である. 申請者は, 経験的アプローチによって制御されているCBの製造プロセスに対し, 各製造条件におけるCB形態の制御因子の寄与率を明らかにするための工学的原理に基づいたCB生成のマルチスケール解析を構築している. 研究内容は大きく分けて, (i)化学的・物理的モデルの構築および精緻化, (ii)モデル検証のための実験に分けられる, 当該年度では, (i)に関しては特に集体形状を考慮可能なCluster-Cluster-Aggregation (CCA)モデルの高速化と検証に着手した. これまでのCCAモデルでは, 20個の凝集体を得るのに, 2日と現実的な計算時間ではなかったが, 衝突判定とアルゴリズムを見直すことにより, 計算時間を1/6とすることに成功し, 現実的な計算時間で解析を行うことを可能とした, 前年度に構築した詳細化学反応機構を考慮した修正セクショナルモデルとカップリングする際にネックとなるのは, 粒子核の生成モデルである. (ii)の実験に関しては, 軸方向における化学種の濃度変化, 粒子核の個数濃度および凝集体形状を測定可能な実験装置の設計・開発を行い, 各温度における粒径分布の経時変化を測定した. 特に, 粒子生成初期の粒径分布が凝集体形状に影響に及ぼすことを示唆した. 今後は, 粒子核をコールドトラップし, ガス分析することで粒子核の前駆体を特定し, シミュレーションモデルに導入する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Cluster-Cluster Aggregationモデルの高速化を達成し, 実験も順調に進んでいるため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は, 構築したCB凝集体の体積球相当径の粒径分布を算出可能なモデルと凝集体形状を算出可能なモデル(構築済)粒径分布のカップリングを行う. その際に, 粒子核の生成挙動を明らかにする必要がある. そこで, 粒子核の生成前駆体を特定し、生成速度を求めるための実験を行う。粒子核が生成するかしないかという条件をコールドトラップし、GCIMSやLCIMSで分析する. 粒径分布と比較することで、何が粒子核の前駆体だったかという定性に加えて, 核生成速度を逆算することができる。これにより, 粒子核の生成速度の定量化ができれば, 精度が良いカップリングモデルを構築できるものと考える.
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Research Products
(10 results)
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[Presentation] Detailed kinetic analysis of the soot formation2013
Author(s)
Kiminori Ono, Aki Watanabe, Yoshiya Matsukawa, Yasuhiro Saito, Yohsuke Matsushita and Hideyuki Aoki
Organizer
The 3rd Workshop for the International Japanese-Chinese Cooperative Program "Science and Technology for Environ mental Conservation and Construction of a Society with Less Environmental Burden"
Place of Presentation
Hanamaki, Japan
Year and Date
20130710-14
Invited
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