2012 Fiscal Year Annual Research Report
慢性腎臓病の病態促進因子である尿毒症物質を標的とした革新的血液浄化法の開発
Project/Area Number |
12J05768
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宮本 洋平 熊本大学, 大学院・薬学教育部, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 慢性腎臓病 / 尿毒症物質 / 酸化ストレス / 血液透析 |
Research Abstract |
本研究における最終的な達成目標は、タンパク結合性尿毒症物質の効率的除去による革新的な血液浄化方法の開発であり、その実現には、(1)尿毒症物質に対して高い親和力を有するヒト血清アルブミン(HSA)変異体の設計と効率的な作製、(2)(1)で作製したHSA変異体と尿毒症物質との結合性の定量的評価、(3)閉鎖系でのアルブミン透析による尿毒症物質の除去効率の評価(in vitro)、(4)実験動物でのアルブミン透析による尿毒症物質の除去効率の評価(in vivo)、の4つの検討項目を段階的にクリアーする必要がある。 本研究の到達目標の第一段階として、尿毒症物質に対して高い親和力を有するHSA変異体の設計と効率的な作製に加え、作製したHSA変異体と尿毒症物質との結合性の定量的評価が挙げられる。これまでの期間において、尿毒症物質3-carboxy-4-methyl-5-propyl-2-fUran propionate(CMPF)を研究材料とし、CMPF-HSA複合体のX線結晶構造に基づき、CMPF結合サイトであるHSAドメインIIを構成している4つのアミノ酸残基に対してランダムに変異を導入することで、様々なドメインII変異体を提示したHSAドメインIIディスプレイファージライブラリーを作成した。その中からCMPFに結合したファージをスクリーニングし、CMPFに高い親和性を有するクローンを得ることができた。さらに、ランダムに複数のクローンを選択し、これらを大腸菌にて発現させた後、この変異体を精製し、限外濾過法によりCMPFに対する結合性を評価したところ、CMPFに対する親和性の増大が観察された。加えて、In vitro透析装置(閉鎖系回路)を用いた検討からも変異体によるCMPFの引き抜き効果を確認することができた。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] p-Cresyl sulfate causes renal tubular cell damage by inducing oxidative stress byactivation of NADPH oxidase.2013
Author(s)
Hiroshi Watanabe^*, Yohei Miyamoto^*,Daisuke Honda, Hisae Tariaka, Qiong Wu,Masayuki Endo, Tsuyoshi Noguchi, DaisukeKadowaki, Yu Ishima, Shunsuke Kotani,Makoto Nakajima, Keiichiro Kataoka,Shokei Kim-Mitsuyama, Motoko Tanaka,Masafumi Fukagawa, Masaki Otagiri, ToruMaruyama. (^*:Hiroshi Watanabe and YoheiMiyamoto contributed equally to this work.)
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Journal Title
Kidney International
Volume: (印刷中)
DOI
Peer Reviewed
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