2012 Fiscal Year Annual Research Report
洋上風力発電への導入を目指した10MW級全超電導発電機の研究
Project/Area Number |
12J05782
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺尾 悠 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 風力発電 / 超電導発電機 / 有限要素法解析 |
Research Abstract |
近年風力発電機は経済的なメリット等により単機当たりの発電容量が増加してきている。しかし、発電容量の増加に伴い発電機重量も増加するため、風車のタワー部分のコスト増加等が問題である。よって今後の風力発電機には、重量・サイズの増加を抑えつつ大きな発電容量を達成することが求められる。超電導技術はそれらを達成する解の一つとして注目されており、世界中で超電導風力発電機が研究されている。 本研究の目的は、まだ実現例のない10MW級の洋上風力発電への適用を前提として世界初の「全超電導風力発電機」を提案、研究を行うことである。本構造は電機子・界磁コイルの両方が同一のクライオスタット内に格納され、従来の超電導発電機よりも更にコンパクト化が期待できる。また、電機子コイル側に細線・多芯構造のMgB2超電導線材を用いており、全超電導機の実現において問題であった交流損失の増加を回避可能である。 本年度(平成24年度)は、(1)超電導風力発電機並びに永久磁石型風力発電機の電磁設計、(2)発電機短絡事故時の際の解析及び(3)全超電導発電機の交流損失の計算を行った。得られた成果として、既存の永久磁石型発電機のサイズ・重量が13.1m、230トン以上になるのに対し、全超電導機は直径4.0m、重量は約64トンとなり、既存技術の永久磁石型発電機より大幅なコンパクト化が可能であることが分かった。さらに他の超電導発電機(突極/非突極超電導界磁型発電機)と比較しても、最もコンパクト・軽量な構造となった。また短絡事故が起り、電機子コイルに過大な電流が流れた際には、MgB2超電導体がクエンチを起こしてコイルの抵抗が急激に増加し、限流効果をもたらす'ことが示された。さらに交流損失を計算した結果、1.9kW程度となり冷凍機の損失を考慮すると100倍の190kW程度である。すなわち定格出力の2%弱の損失となり、MgB2線材を用いる方がYBCO線材を電機子コイルへ用いる場合よりも大幅な低減が可能であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
平成24年度で辞退のため、平成25年度以降は実施せず
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度で辞退のため、平成25年度以降は実施せず
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Research Products
(7 results)