Research Abstract |
本研究の目的は繊維補強コンクリートを用いたプレテンション部材を用いて損傷制御型耐震構造システムを開発することである。コンクリートの弱点である引張抵抗能力と靭性を向上させるために繊維補強コンクリートが開発され実際建物に適用されている。繊維補強コンクリート材料に関する研究は多くあるが,繊維補強コンクリートを用いたプレテンション部材の構造挙動,例えば,変形性状,ひび割れ性状,破壊モードなどに関しては十分な設計基準及び性能評価指針がないため,鋼繊維補強コンクリートを用いる場合,繊維補強効果を十分反映することができない。そのため,本研究では,繊維補強コンクリートを用いたプレテンション部材の地震荷重に対する構造実験を実施し,設計時及び建物の耐震性能を評価するのに必要となる構造性能を明らかにする。 このことから,本研究では,繊維補強コンクリートを用いたプレテンション部材を用いる耐震構造システムの地震時挙動特性把握と損傷度,変形性状などの定量化を行う。鋼繊維補強コンクリートを用いたプレテンション梁部材の基本的な曲げ及びせん断挙動,破壊モード,終局強度などに関する特性を調べるために,鋼繊維補強コンクリートを用いたプレテンション単純梁の曲げ試験とせん断試験を行う。実験変数は鋼繊維混入率;0.0%,0.3%,0.5%とプレストレスの有無である。試験体計画は載荷装置容量の制限があるため,試験体断面計画を修正した。試験体の断面は,幅200mm,断面せい400mm,全長4,250mm(曲げ試験体)と3,150mm(せん断試験体)の単純梁を製作する。実験結果から,鋼繊維補強コンクリートを用いたプレテンション部材の曲げおよびせん断変形性状,破壊モード,ひび割れ性状などを把握し,繊維混入量による損傷程度,変形性能に関するデータを定量化する。断挙動,破壊モード,終局強度などに関する特性を調べるために,鋼繊維補強コンクリートを用いたプレテンション単純梁の曲げ試験とせん断試験を行う。実験変数は鋼繊維混入率;0.0%,0.3%,05%とプレストレスの有無である。試験体計画は載荷装置容量の制限があるため,試験体断面計画を修正した。試験体の断面は,幅200mm,断面せい400mm,全長4,250mm(曲げ試験体)と3,150mm(せん断試験体)の単純梁を製作する。実験結果から,鋼繊維補強コンクリートを用いたプレテンション部材の曲げおよびせん断変形性状,破壊モード,ひび割れ性状などを把握し,繊維混入量による損傷程度,変形性能に関するデータを定量化する。実験結果,鋼繊維補強コンクリートを用いることによって,プレテンション梁のひび割れ分散効果やPCストランドの付着特性向上などが確認された。さらに,プレテンション梁の繊維補強量によって,最大13.6%の靭性向上が確認され,プレストレストコンクリート部材に鋼繊維h教コンクリートを用いることによって脆性破壊の防止効果が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究については,今まで行った研究がほとんどないため,研究の進行や発展に大きな難しいさがある。 鋼繊維補強コンクリートの場合,コンクリートの製作段階から様々な難点があり,試験体製作も大変難しいだったが,何回のチャレンジの結果,無事に試験体を製作するのが出来た。さらに,実験も大きな問題なくて順調に実施され,期待した実験結果や成果を得ることが出来た。なので,平成24年度の研究を通じて,概ね順調に研究が進んでいると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に実施した鋼繊維補強コンクリートを用いたプレテンション単純梁実験から得られた構造的特性や基本理論を用い,地震荷重に対する構造実験を実施する予定である。さらに,混入繊維量も1.0%まで増やす予定である。地震荷重に対する実験から,鋼繊維補強コンクリートを用いたプレテンション梁の耐震挙動を解明し,ひび割れ状況,破壊特性などを把握し,最終的には,損傷制御型耐震構造システムを提案する予定である。
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