2013 Fiscal Year Annual Research Report
高性能材料を用いた損傷制御型耐震構造システム開発に関する研究
Project/Area Number |
12J05797
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
尹 亨在 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 鋼繊維補強コンクリート / プレストレストコンクリート / 損傷制御 / 耐震構造 / プレテンション梁 |
Research Abstract |
本研究の最終的な目的は繊維補強コンクリートを用いたプレテンション部材を用いて損傷制御型耐震構造システムを開発することである。 約50年前からコンクリートの弱点である引張抵抗能力と靭性を向上させるために繊維補強コンクリートが開発され, 現在は実際建物に適川しようとしている。繊維補強コンクリート材料に関する研究は多くあるが, 繊維補強コンクリートを用いたプレテンション部材の構造挙動, 例えば, 変形性状, ひび割れ性状, 破壊モードなどに関しては十分な設計基準及び性能評価指針がないため, 鋼繊維補強コンクリートを用いる場合, 繊維補強効果を十分反映することができない。そのため, 本研究では, 繊維補強コンクリートを用いたプレテンション部材(プレストレストコンクリート構法の一つ)の地震荷重に対する構造実験を実施し, 設計時及び建物の耐震性能を評価するのに必要となる構造性能を明らかにする。 2013年は, 2012年度研究の続きとして, 高性能材料(鋼繊維補強コンクリート, SFC : Stee1-Fiber Reinforced Concrete)とプレストレストコンクリート工法(Prestressed Concrete)をともに用いたPreSFC梁部材に対して, 地震荷重を想定した載荷装置を用いて構造実験を実施した。実験変数としては, 鋼繊維混入率V_f(%)を0.0%, 05%, 1.0%, そしてPCストランド数である。 地震荷重に対する構造実験結果, 実験変数とした鋼繊維混入率の際によって試験体中央部や端部破壊状況の違いが確認された。例えば, PC3試験体では最終的に試験体中央部の広い範囲でコンクリート剥落が発生したが, 鋼繊維混入率0.5%と1.0%の試験体PC3-SF05およびPC3-SF10試験体では試験体中央部でコンクリート剥落は発生してなかった。さらに, PC3-SF10試験体では, PC3-SF05試験体より試験体中央部せん断区間内のせん断ひび割れ本数も少ないことが観察され, プレストレストコンクリートに鋼繊維補強コンクリートを用いることによりコンクリート剥落防止効果やせん断ひび割れ分散効果が期待できる判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(5 results)