2012 Fiscal Year Annual Research Report
B細胞分化活性化制御における分化抑制因子Idの役割
Project/Area Number |
12J05804
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
蒋 景眞 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 分化 / 活性化 |
Research Abstract |
Id2遺伝子欠損マウス,Id3欠損マウスにおいて、B細胞活性化状況が異なることに起因すると思われる免疫反応の異常を、それぞれのマウスにおいて見いだしている。このB細胞活性化の差異を生み出す分子基盤を明らかにする目的にて、Id2-/-B細胞、Id3-/-B細胞と、コントロールB細胞をin vitroにて分化誘導し、cDNAマイクロアレイを用いて遺伝子発現プロファイルのスクリーニングを行った。その結果、Id2,Id3欠損により発現量に変化の見られる多数の遺伝子群が明らかになった。 B細胞活性化にはB細胞受容体からのシグナルが重要である。野生型およびId2遺伝子欠損、Id3遺伝子欠損マウスのB細胞シグナリングの変化を解析した結果、一部のシグナリング経路に有為な差を見いだした。 さらに解析をすすめるため、野生型Id2、Id3及び、各種ドメイン欠損型Idをtetracycline依存的に過剰発現できる細胞株をA20細胞株を用いて作製し、各種Idによる遺伝子発現制御機構と、BCRシグナル制御過程における役割の違いを検索した。その一方でId2,Id3が様々なB細胞分化状態の維持にどのように関与しているのかを再度詳細に検証する目的にて、種々分化段階のB細胞株をもちいたinducible lineを樹立した。しかし、これらの細胞株を用いた実験からはId2とId3の機能的相違を見いだすことは出来なかった。そこで、Id2欠損マウス、Id3欠損マウスに加えて、Id2,Id3をinducibleに発現誘導出来るマウスの作成に着手した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
In vitroの実験から、期待出来る実験結果は得られなかったが、一通りの実験を行ったことから、今後の実験を進めるのに適した系が明確になった。
|
Strategy for Future Research Activity |
マウスで表現系の明らかであるB細胞を用いて今後の解析をすすめる。すでに表現系が確認出来ているId2欠損マウス、Id3欠損マウスに、様々なIdやIdの変異体を過剰発現することによって、それぞれの欠損によって見られた表現系に与える影響を調べる。
|
Research Products
(2 results)
-
[Journal Article] In situ differentiation of CD8αα T cells from CD4 T cells in peripheral lymphoid tissues2012
Author(s)
Nambu Y., Hayashi T., Jang KJ, Aoki K., Mano H., Nakano K., Osato M., Takabashi K., Itoh K., Teramukai S., Komon T., Fujita J., Ito Y., Shimizu
-
Journal Title
Scientific Reports
Volume: 2
Pages: 930
DOI
Peer Reviewed
-