2013 Fiscal Year Annual Research Report
B細胞分化活性化制御における分化抑制因子Idの役割
Project/Area Number |
12J05804
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
蒋 景眞 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 分化 / 活性化 |
Research Abstract |
分化抑制因子Idは哺乳類では4種類(Id1, Id2, Id3, Id4)知られている。Idの種類によって、機能が異なる可能性を示唆するデータが蓄積してきている。実際、Id2欠損B細胞と, Id3欠損B細胞は、B細胞活性化状況が異なることを見いだし、それに起因すると思われる免疫反応の異常が認められる。それぞれのIdの作用機構を明らかにする目的にてB細胞を解析する。Id2-/-B細胞、Id3-/-B細胞と、コントロールB細胞をin vitroにて分化誘導し、遺伝子発現のプロファイリングを行った。その結果、Id2, Id3欠損により発現量に変化の見られる多数の遺伝子群が明らかになった。これらの遺伝子群はId2欠損とId3欠損では大きく異なることから、Idの機能的相違を反映する結果である可能性が考えられた。次に、Idの過剰発現によって変化する遺伝子群を調べることによって、直接転写を制御している対象遺伝子を絞り込むことを行った。このため、種々分化段階のB細胞株をもちいてinducible lineを樹立した。Id遺伝子の発現誘導によって、細胞の活性化状態等の変化を認めたが、Id2, Id3間で、発現に差のある遺伝子はあまり見つからず、差を認めた遺伝子もノックアウトB細胞から得られたデータと比較すると、直接のターゲットとは考えられなかった。この細胞株を用い、Id2, Id3それぞれの複合体を分離しその構成成分を調べたが、ここでも二つの複合体間に大きな違いを見いだす事は出来なかった。 しかし、これらの解析を進める過程で、形質細胞分化とクラススイッチ組換えを制御する新しいメカニズムが明らかになったため、これを投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Id2-/-B細胞、Id3-/-B細胞と、コントロールB細胞をin vitroにて分化誘導し、遺伝子発現のプロファイリングを行った。その結果、Id2, Id3欠損により発現量に変化の見られる多数の遺伝子群が明らかになった。しかし、Id2、Id3の過剰発現における遺伝子発現の変化を比較しても、それほど大きく差のある遺伝子は見つからなかった。それ以外の研究も、ほぼ予定通りに進んでいる。しかし、データは想定外であり、結論には至らなかった。しかし、この研究を行う過程で新しい知見が得られたため、現在それをまとめているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
Id2, Id3の機能的相違を明らかにするには、それぞれのターゲット候補遺伝子(Id2-/-B細胞とId3-/-B細胞とで発現の異なる遺伝子)をさらに絞り込む必要がある。過剰発現の系では正しいターゲット遺伝子を絞り込むことが出来なかったため、B細胞以外細胞系列における、Id2-/-とId3-/-の遺伝子発現を比較することによって候補遺伝子を抽出する。B細胞とそれ以外の細胞で共通に制御されている遺伝子をターゲット遺伝子として次の解析を進める予定である。
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Research Products
(1 results)