2013 Fiscal Year Annual Research Report
近代徳川宗家をめぐる歴史認識とその諸問題-徳川家達を中心に-
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12J05965
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原口 大輔 九州大学, 人文科学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 徳川家達 / 貴族院 / 華族 / 日本近代史 / 帝国議会 / ワシントン会議 / 重臣 |
Research Abstract |
本年度は、(1)前年度の成果を投稿論文として掲載を目指すこと、(2)大正末期~昭和初期にかけて徳川家達が「重臣」に擬せられたことを詳細に検討すること、(3)徳川家達の発給書翰を蒐集すること、(4)家達の貴族院議長としての活動を検討するために関連する人物の史料を蒐集することを行った。 (1)については、「ワシントン会議前後の徳川家達とその政治的位置」との題目で『九州史学』第168号、2014年3月に掲載された。「徳川家達と大正三年政変」については、まだ掲載決定に至ってないが、査読結果を承けて昨年度より分析視角を増やすことができた点で有益であった。(2)については、2013年11月、東京大学本郷キャンパスで行われた史学会大会日本史部会近現代史部会において「徳川家達の「重臣」化構想」との題目の研究発表(口頭)を行った。当日の議論を踏まえて現在投稿論文の準備中である。(3)については、国立国会図書館憲政資料室の各種史料群を調査し、昨年度の成果に上乗せすることができた点で有意義であった。(4)については、まず家達の前に貴族院議長であった近衛篤麿を比較対象として選び、関連史料を検討中である。また、貴族院議員・阪谷芳郎の日記、貴族院事務局の日誌である「貴族院日誌」(どちらも憲政資料室所蔵)を調査し、議長時代の家達の活動(政治面・社会面)を分析中である。 以上が本年度の研究成果である。なお、上記の内容に関連する研究文献・史料などを購入した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
徳川家達の政治面の分析について当初予定した3つの検討が一通り形になった点は評価できる。史料調査により議長としての活動を詳細に分析できる可能性が生じたため、来年度の研究計画については多少の軌道修正が必要であるがおおむね順調と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは議長としての活動の側面を検討することを優先。また家達が議長に就任する以前の活動や、蒐集した発給文書を分析することで家達の人脈について分析を行いたい。来年度は本研究の総まとめとして博士論文提出を第一目標とする。
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Research Products
(2 results)