2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヒアルロン酸合成過程で発見された新奇オリゴ糖、その機能と個体老化における意義
Project/Area Number |
12J06014
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
飯島 順子 独立行政法人理化学研究所, 疾患糖鎖研究チーム, 特別研究員(PD)
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Keywords | マクロファージ / TLR4 / コアフコース / ヒアルロン酸 |
Research Abstract |
自然免疫において活動するマクロファージでは、表面上のToll様レセプター(TLR)が病原体のセンサーとして病原体関連分子パターンを特異的に認識し病原体を排除することで感染を防御する。 TLR4は病原体センサーとしてグラム陰性菌の外膜成分のリポ多糖(lipopolysaccharide, LPS)を認識する他、近年、ヒアルロン酸オリゴ糖をリガンドとして認識する事が報告されている。 当研究室では、TLR4がコアフコースに修飾されていることを免疫沈降とレクチンブロットにより、更に、TLR4と複合体を作るMD2がN型糖鎖により修飾されることをウエスタンブロットにより確認しており、ヒアルロン酸オリゴ糖やコアフコース修飾などの糖鎖シグナルがマクロファージにおけるTLR4の機能とシグナル伝達に関与する可能性がある。また、N型糖鎖にコアフコースを付加する糖転移酵素であるFut8がマウスにおいて加齢と共に発現が増加することが報告されているなど、糖鎖と老化の関わりが示唆されている。 マウス生体内において、各種リガンド刺激に対するマクロファージのサイトカインの分泌を確認する為に、「マクロファージの欠損マウス」と「マクロファージ欠損マウスへのマクロファージ再移植」の系を立ち上げている。現在、マクロファージの欠損を誘導する試薬であるクロドロン酸の投与により、マウス脾臓中の90%のマクロファージを欠損させる事に成功した。また、クローニングされたTLR4, MD2遺伝子(東京大学からの供与)を用いて、Fut8欠損時においてTLR4を介する各種リガンドのシグナル伝達を調べることを進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験動物を用いた実験の手技が身に付き、安定してきた。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスからマクロファージの採取、培養を行い、各種リガンド刺激による反応性を検討する。 クロドロン酸投与によりマクロファージを欠損させたマウス個体や、老齢マウス個体、またマクロファージを欠損させたマウス個体に新たにマクロファージを投与し、各種リガンド刺激による反応性をin vivoで調べる。
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Research Products
(1 results)