2012 Fiscal Year Annual Research Report
非対称断面を有する形材の軸力援用高精度回転引き曲げ加工の開発
Project/Area Number |
12J06068
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
奥出 裕亮 山梨大学, 大学院・医学工学総合教育部, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 回転引き曲げ / 非対称断面チャンネル材 / 可変軸力 / 不整変形 |
Research Abstract |
非対称断面チャンネル材の回転引き曲げ加工において、不整変形を抑制するために、曲げひずみが付与される加工領域にしわが発生するが、新形状のワイパーダイや異形状の積層弾性心材といった拘束ジグの適用および軸引張り力の負荷により、抑制可能であることが解明されている。しかしながら、拘束ジグの適用および軸引張り力の負荷により、加工領域のしわ、引張フランジのへん平変形およびねじれがほぼ抑制されたため、非加工領域にしわが発生する結果が明確に現れた。非加工領域に生じるしわと有限要素解析により、非加工領域のしわは、拘束ジグの抑制困難な箇所に発生するため、高い軸引張り力が必要になる。しかし、高い軸引張り力を負荷する場合、加工初期より、被加工材の引張応力の増加により引張フランジのへん平変形が増大し、引張フランジの薄肉化が顕著に表れる。引張フランジの薄肉化により、容易に割れが発生する。そこで、非対称断面チャンネル材の曲げ加工技術の更なる向上を図るため、加工中に軸力を変化させる可変軸力を提案し、その効果について調査・解明した。また、加工中期から後期にかけて、曲げ角度が大きくなり、回転ダイと被加工材との接触力の増加につれて、摩擦力による引張り力が増加するため、へん平変形が生じやすくなる。そこで、これらを考慮し、軸力は加工中期から後期にかけて減少させる可変軸力が必要になるため、回転引き曲げ加工装置を改良し、加工中に軸力の値を可変可能にした。装置は加工中の各曲げ角度において任意の軸引張り力を負荷可能な構造とした。その可変軸力を適用した曲げ加工を、A6061S-O材、肉厚1.5mmの非対称断面チャンネル材に対して、解析および試験により実施した。結果として、一定軸力と比較して可変軸力の適用により、被加工材の横断面の変形量が最大で11.0%低減し、肉厚の維持に対しては1.1%程度向上したことによって、しわとへん平の抑制に効果的であることを示した。
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Research Products
(1 results)