2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J06075
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高棹 圭介 北海道大学, 大学院理学研究院数学部門, 特別研究員(PD)
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Keywords | 偏微分方程式 / 平均曲率流 / 幾何学的測度論 |
Research Abstract |
本研究の目的は、移送項付き平均曲率流の解の存在証明である。ここで、移送項付き平均曲率流とは、曲面が平均曲率と、与えられたベクトル場に依存して動く数学的モデルである。移送項の無い通常の平均曲率流は、曲面の面積を少なくする方向に動くことで知られており、一方で金属の粒界の運動を記述するモデル方程式として知られている。平均曲率流に移送項を加えた理由としては次が挙げられる。まず、平均曲率流に摂動を加えた場合においても、ほぼ平均曲率流として扱うことが出来、解の存在を得ることができるか、という問題が挙げられる。この研究の問題点として、古典解では曲面のジャンクションや曲面同士の重なりを表現することが出来ないため、より広いクラスにおける解の存在を示す必要があった事が挙げられる。それに対しBrakkeは、幾何学的測度論(曲面をバリフォールドと呼ばれるRadon測度と見倣す手法)を用いてBrakkeの平均曲率流という平均曲率流の弱解を構成し、その存在を示した。本研究ではBrakkeの結果の拡張である、移送項付き平均曲率流の解の存在について考察した。本研究に関連する既存の結果としてLiu-Sato-Tonegawaの結果である空間が2,3次元におけるBrakkeの移送項付き平均曲率流の存在が挙げられる。前年度はこの結果の拡張として、任意の空間次元におけるBrakkeの移送項付き平均曲率流(弱解)の存在を示すことができた。当該年度においては、適切な仮定の下でその弱解が滑らかであること、つまり古典解になるということを示した。また、平均曲率流に対し移流項ではなく等速等の外力項を加えた場合においても解の存在の証明をすることが出来た。なお、本研究は指導教官の利根川吉廣教授との共同研究である。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(7 results)