2013 Fiscal Year Annual Research Report
M・ブーバーにおけるヘブライ語聖書に根差した精神的シオニズム
Project/Area Number |
12J06179
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀川 敏寛 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | マルティン・ブーバー / ハイデルベルク大学 / ユダヤ学研究所 / 精神的シオニズム / 神名 / 哲学研究 / 日本の神学 / ヘブライ語聖書翻訳 |
Research Abstract |
1. ドイツ・ハイデルベルグ大学のユダヤ学研究所に訪問(2013年4月) ハイデルベルグ大学は、ドイツにおけるブーバー研究の中心地の一つであり、図書館に豊富な資料を持っている。3月より本研究所に客員研究員として受け入れられ、自由に資料を閲覧し、自身の研究課題を深めている。現地では下記の論文を執筆した。 2. ドイツ・ハイデルベルグ大学の神学部に訪問(2013年5月) ハイデルベルグ大学は、ドイツにおける神学研究の中心地であり、神学部図書館にて研究課題を遂行するに当たって、必要な資料を収集することができた。 3. ブーバー学会の学術大会に参加し、現地の研究者とディスカッション(2013年6月) ドイツの「ブーバー学会」(MartinBllberGesellshaft)によって年間3回開催される学術大会の「心理学部門」に参加。学会ドイッのブーバー研究者と交流し、研究課題についての意見を仰いだ。 4. ヘッペンハイムにおけるリーディングセミナーに参加(2013年7月) 5. 論文投稿 研究課題の結論部分をなす「ユダヤ教におけるメシアニズムの理解」を、ブーバーによる第ニイザヤ書解釈によって展開させた。これはシオニズムが、政治的民族独立という目的とは異なる、聖書解釈に基づくものであることを証明するものである。シオニズムが、シオンの丘に帰り、終末時にそこで諸民族の共生社会が実現されるという聖書思想に根差していることを、論文で執筆することができた。 6. 国際学会と著作刊行 ハイデルベルグ大学で開かれた国際学会では、世界からブーバー研究者が訪れ、研究発表が行われた。またここでの発表記録を元に、ドイツで論文集を著作として刊行する(2013年度出版予定)のだが、わたくしは本学会テーマの専門研究をしていたため、本著作に論文を執筆する依頼を受けた。「ドイツ語の著作への論文投稿」を機会に、自らの研究課題を海外へと発信する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究計画の中で、ハイデルベルク大学へ研究滞在し、現地で共著を出版することが最大の目標であったため、先ずはそれを確実にこなした点を評価したい。ハイデルベルク大学では、ユダヤ学研究所における資料収集に加え、現地のMartin-Buber-Gesellshcaft学会や、ヘッペンハイムで開かれたリーディングセミナーに参加し、研究課題を大いに深めることができた。このように半年に渡るドイツ滞在の中で研究を進めると同時に、帰国後その成果を日本の学会で公表した点も評価に値するものである。日本基督教学会の『日本の神学』と、京都大学基督教学会の『基督教学研究』における2本のレフェリー付き学会誌上に論文が掲載された点は、研究成果を目に見える形で世間していると言えよう。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題を遂行するに当たって最も適した場所であるドイツのハイデルベルク大学を拠点にする。現地の図書館では、研究のために必要な資料が全て揃っているため、ここで研究課題を実施することが最も適しているからである。またそれぞれの地で、国際学会に参加し、現地における研究者との交流を深めるのみならず、自ら研究発表をすることによって、成果を発信する機会を持つ予定である。更に、研究発表と同時に、現地の学会誌や著作への投稿を行い、自らの研究を具体的な論文として形に残す予定である。海外での研究生活を機会に、世界基準に相応しい日本の研究を積極的に海外へと発信して頂きたい。
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Research Products
(3 results)