2013 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルス増殖に関与する宿主ストレス誘導性リン酸化酵素の解析
Project/Area Number |
12J06190
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
後藤 覚 東京大学, 医科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | HCV / Kinase / Drug / Phosphorylation / Screen / Substrate |
Research Abstract |
本研究はゲノムワイドsiRNAスクリーンにおいてC型肝炎ウイルス(HCV)複製を支持する宿主因子であることが示唆されたストレス誘導性リン酸化酵素に関して、HCV複製、病原性促進様式の解明とそれを標的とした抗C型肝炎戦略の開発を目指している。本酵素については機能欠失変異体の解析より酵素活性と酵素自身のリン酸化活性化がHCV増殖、線維化シグナル促進に貢献することを見出してきたが、本年度の研究においてもさらなる進捗があった。本酵素を上流で活性化するマスターレギュレーターとして知られるリン酸化酵素も線維化シグナル促進に関与することを明らかにした。加えて肝癌細胞株での酵素阻害活性が報告されている糖尿病治療薬が本リン酸化酵素に依存した抗HCV効果と抗線維化シグナル促進効果を特異的に示したこと、また共同研究機関のHCV慢性感染者臨床検体において、HCV感染培養細胞系での結果と一致して、本酵素発現レベルの顕著な上昇が認められたことを含め考察するに、HCV感染により発現が亢進した本酵素は自己リン酸化を含めた異常な活性化を経てHCV増殖と線維化シグナル伝達を亢進しているが、当糖尿病治療薬によりそうしたC型肝炎病態が改善される可能性が示された。以上の結果と議論の報告はJournal of Hepatology誌に受理された。加えてプロテインアレイを用いて基質候補の複数同定に成功したが、新たにがん遺伝子、シグナル伝達経路上分子が標的となる可能性が示唆されており、リン酸化の実際と、ウイルス生態、肝病態における意義を調査中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HCV増殖と病原性を促進するリン酸化酵素の滑性化機構様式解明と承認済治療薬によるその抑制効果を示唆する結果を国際誌に報告した。また計画通りプロテインアレイ解析を用いて酵素基質探索が実施されたうえ、本酵素の発現や基質リン酸化の薬剤による制御を目指す探索システムの準備が整い順次解析が開始されている。
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Strategy for Future Research Activity |
本リン酸化酵素が直接基質としてあるいは間接的に影響を及ぼすことが示唆された分子のうちとりわけHCV増殖過程と肝病態シグナル伝達経路上にて機能する可能性が示唆される候補についてそのリン酸化と影響を調査する。また本酵素転写調節領域を連結したルシフェラーゼレポータシステムと共に酵素活性評価レポータシステムによりケミカルライブラリを用いた酵素制御薬剤の探索を行い、酵素阻害剤によるHCV関連肝疾患の改善策創出を目指す。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] The AMPK-Related Kinase SNARK Regulates Hepatitis C Virus Replication and Pathogenesis Through Enhancement of TGF-β Signaling2013
Author(s)
Goto K, Lin W, Zhang L, Jilg N, Shao RX, Schaefer EA, Zhao H, Fusco DN, Peng LF, Kato N, Chung R T.
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Journal Title
Journal of Hepatology
Volume: 59
Pages: 942-948
DOI
Peer Reviewed