2014 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルス増殖に関与する宿主ストレス誘導性リン酸化酵素の解析
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12J06190
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
後藤 覚 東京大学, 医科学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | HCV / Kinase / Drug / Phosphorylation |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はゲノムワイドsiRNAスクリーンにおいてC型肝炎ウイルス(HCV)複製を支持する宿主因子であることが示唆されたストレス誘導性リン酸化酵素に関して、HCVの複製、病原性促進様式を解明しそれを標的とした抗C型肝炎戦略の開発を目指している。これまでに本酵素機能欠失変異体の解析より酵素活性と酵素自身のリン酸化活性化がHCV増殖と線維化シグナル促進に寄与し、本酵素阻害活性が報告されている糖尿病治療薬が抗HCV効果と抗線維化シグナル効果をもたらすことを報告した。そこで新たに上記変異体解析系を用いて探索的調査を行った結果、本酵素が発癌機構にも関与していることを見出し、酵素自身のリン酸化とリン酸化酵素活性が重要であることが判明した。この新規作用を受けて酵素活性標的分子やその薬剤による阻害可能性の検討が進行している。加えて酵素結合因子、酵素転写阻害剤、酵素活性阻害剤等探索等を継続して進めており、これらの情報は基質候補データや上記発癌機構と共に考慮することで、本酵素による標的リン酸化の生病理、ウイルス増殖新機構、肝癌に至る肝病態詳細に迫る端緒となる。以上、HCV感染により発現が亢進した本酵素が、自己リン酸化等の異常な活性化を経てHCV増殖と線維化シグナルを促進したうえ発癌をも誘導しているが、上記糖尿病治療薬あるいはより特異的な酵素阻害剤により、それらC型肝炎病態の改善に加えて発癌ポテンシャルの低減がもたらされる可能性が示唆された。本最終年度までに得られた知見を踏まえ、今後一層の研究推進が望まれる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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