2014 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトとマウスにおける精巣特異的遺伝子の発現調節機構の比較解析
Project/Area Number |
12J06230
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
栗原 美寿々 北海道大学, 生命科学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ヒト / マウス / 精巣 / 遺伝子転写制御 / 多機能性ゲノム配列 |
Outline of Annual Research Achievements |
Testicular cell adhesion molecule (TCAM)遺伝子は、組織特異的な遺伝子活性化機構の優れたモデル系として知られるヒト成長ホルモン遺伝子座に存在している。TCAM/Tcam遺伝子はヒトとマウスにおいて精巣特異的に発現し、マウス精巣内では精母細胞に局在している。本研究では、TCAM/Tcam遺伝子の転写制御メカニズムを明らかにし、その機構を種間で比較することを目指した。TCAM/Tcamの転写制御メカニズムを探るため、一般的に遺伝子の調節配列であるとされる、種を超えて保存された非翻訳領域(Conserved Noncoding Sequence : CNS)について解析を行った。まずマウスにおいては、ヒストン修飾パターンの解析やレポータージーンアッセイの結果、Tcam遺伝子5’上流に存在するCNS1配列が精母細胞特異的なエンハンサーとして機能することが強く示唆された。さらに、CNS1は両方向に強いプロモーター活性を有し、Tcamが隣接するSmarcd2遺伝子と、本研究において新たに発見された精巣特異的long noncoding RNAのプロモーターとしても機能することが判明した。一方、ヒトにおいてもCNS1はエンハンサー活性を示すとともにSMARCD2遺伝子のプロモーターになっていることが判明した。以上のことから、CNS1はマウスとヒトでプロモーターかつエンハンサー活性を有する多機能性ゲノム配列であることがわかった。本研究は、精巣特異的遺伝子の転写活性化に、種を超えて保存された多機能性ゲノム配列が関与することを示した初めて報告である。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)