2013 Fiscal Year Annual Research Report
ブタノール耐性細菌を活用するブタノール耐性機構の解明と生産への応用
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12J06234
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
片岡 尚也 山口大学, 農学部, 助教
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Keywords | 1,3-ブタンジオール / ブタノール合成代謝経路 / ブタノール耐性 / 多剤耐性排出ポンプ |
Research Abstract |
1. 発酵槽での1,3-ブタンジオール(1,3-BD)生産の効率化 前年度, Ralstonia eutropha由来phaAB及びClostridium saccharoperbutylcatonicum由来bldを高発現した大腸菌細胞による回分・流加培養を行い, グルコースからの1,3-BD生産を達成した。しかし, 培養時における酸素供給速度やpHを最適化しているわけではない。そこで, 回分培養時における酸素移動容量係数(K_La)及びpHを最適化した。次いで, 最適条件における流加培養を行うことで, 生産収量の向上を試みた。その結果, 96時間の培養で, 15.8g/Lの濃度で1,3-BDを生産するに至った。 2. 好気的条件で機能するブタノール合成代謝経路の探索 好気性微生物であるBacillus subtilisでブタノール生産を達成するためには, 好気条件で機能するブタノール合成経路の構築が鍵となる。そこで, 1,3-BD合成経路に, Treponema denticola由来terとAeromonas caviae由来phaJを加えたブタノール合成経路を設計し, 大腸菌に導入した後, 生産を試みた。その結果, 1.36g/Lのブタノールの生産を確認した。構築したブタノール合成経路の付与により, B. sublitisでのブタノール生産が可能になると考えられる。 3. 新たなブタノール耐性に関与する排出ポンプの探索 これまでの結果で, B. sublitisに存在する排出ポンプSwrCを欠損することでブタノール耐性が低下することが明らかになっているが, その関与は小さいものであった。そこで, さらなるブタノール耐性に関与する排出ポンプの探索を行った。ブタノール暴露前後での, 多剤耐性に関与する排出ポンプ遺伝子の転写量を比較したところ, ブタノールの暴露により, 21遺伝子中7遺伝子で顕著な転写量の増加が確認された。これらの遺伝子のブタノール耐性への関与について, 現在調査中である。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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