2013 Fiscal Year Annual Research Report
次世代シナプスモデルを用いた発達期プレシナプスの選択的強化・除去機構の研究
Project/Area Number |
12J06287
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
江川 遼 東北大学, 大学院生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 軸索刈込 / オプトジェネティクス / 軸索トレーシング / ニワトリ胚 / 毛様体神経節 / カルシウムイメージング |
Research Abstract |
ニワトリ毛様体神経節におけるプレシナプスの発達過程は、ブートン状から杯状に成熟するシナプス前終末の選択過程と、それ以外の余分なシナプス前終末および軸索側枝の除去過程に大別できる。本研究では、プレシナプス特異的な最先端の光遺伝学プローブの導入と関連分子の過剰発現・機能阻害を通じて選択的強化・除去過程の分子機構の解明を目指すとともに、その病態生理学的な側面についても検討を行うことを目的とする。 採用第2年度目である25年度は、プレシナプスニューロンの形態的評価法を確立した。直径約700umの神経節内において密に絡み合った軸索走行を評価するには、1.サンプル調整、2.イメージング、3.トレーシング、4.定量解析という4ステップを踏む必要がある。1.については透明化試薬ScaleA2、まばら発現を実現させるThylSプロモーター、発現量を向上させるWPRE配列などを組み合わせることで最適化した。2.については2光子顕微鏡AIR MP+に高性能水浸対物レンズを組み合わせることで表面から裏面までの高精細な画像取得を実現した。3.・4.について、汎用性の高い商用ソフトは高額で特別研究員の研究費では購入できなかったが、複数のフリーウェアを組み合わせることで達成できた。現在これら一連の手法を用いて、軸索走行発達の定量解析を進めている。また、K^+チャネルKir2.1を導入し神経活動を低下させたところプレシナプス発達に異常が見られたことから、神経活動の影響についての解析も進めている。 本実験系を用いた研究成果は、和文総説として商業誌に2報掲載された他、国際研究会にて1回、国内学会・研究会にて2回ポスター発表され、また国内研究会にて2回口頭発表された。このうち第45回東北生理談話会での口頭発表において、日本生理学会から東北日本生理科学奨励賞を授与された。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(10 results)