2012 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋ミトコンドリア活性を調節する酸素輸送担体の分子相互作用機序の解明
Project/Area Number |
12J06321
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山田 達也 金沢大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ミトコンドリア / ミオグロビン / 骨格筋細胞 / 呼吸 / 相互作用 / 呼吸鎖複合体 |
Research Abstract |
エネルギー需要が他の組織に比べて高い筋細胞には酸素結合タンパク質であるミオグロビン(Mb)が存在している。我々はこのMbが生体内におけるエネルギー産生の大部分を担う細胞内小器官、ミトコンドリアに局在していることを新たに示した(Yamada et al.,2013)。したがって、ミトコンドリアに局在するMb(Mito-Mb)は実際にミトコンドリアの活性調節に貢献しているのか、あるいは、Mbがミトコンドリアの活性調節因子であるとしたらどのようなメカニズムで調節に関与しているかを検証するために本年度研究を行ってきた。我々はMito-Mbの役割を明らかにする手段の一つとして、Mycエピトープタグ付きMb(Myc-Mb)を安定的に発現させる骨格筋培養細胞モデルを構築して次の分析を行った。骨格筋培養細胞に発現するMyc-Mbを免疫沈降法を用いて精製し、ショットガン解析という方法を用いて精製サンプルからMbと相互作用するタンパク質を網羅的に同定することを試みた。結果的に複数のミトコンドリアタンパク質が精製サンプルから検出された。しかしながら、検出されるタンパク質に安定した結果が得られなかった。したがって、別の骨格筋細胞株を用いて同様の検証を実施する予定である。また、Mbが過剰に発現した骨格筋細胞の酸素消費率は野生型に比べて上昇した。特にミトコンドリア呼吸鎖複合体IVを介した酸素消費率が上昇した。この結果はMito-Mbは呼吸鎖複合体IVを構成するサブユニットと相互作用している(Yamada et al.,2013)ことによって引き起こされていると推測される。引き続き異なる細胞株においても同様の結果が得られるかの検証を行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在用いている過剰発現細胞モデルにおいて、標的タンパク質であるMbの発現量の上昇が予想を下回っていること。そして標的オルガネラであるミトコンドリアを同細胞モデルから単離することができないため、直接的な分析を行うことが難解であること。これら二つの要因が進捗をやや遅らせる原因となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに用いていた細胞株(ラット骨格筋芽細胞L6)とは異なる細胞株(マウス骨格筋芽細胞C2C12)を用いてモデルの再構築を行い、分析する。
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Research Products
(5 results)