2013 Fiscal Year Annual Research Report
アンモニアphoto-SCRおよびphoto-SCOに有効な実用的高速触媒の開発
Project/Area Number |
12J06351
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 旭 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アンモニア脱硝 / 光触媒 / 二酸化チタン / 色素 / De-Nox / 可視光応答 |
Research Abstract |
本研究では, 実用レベルの高いガス流速条件下(ガス空間速度100,000 h-1)で, アンモニアを還元剤として用いた一酸化窒素(NO)の選択還元(アンモニア脱硝, NH3-SCR)に高活性化な光触媒開発を目的としている. 採用1年目の研究により, 基質ガスの吸着過程以外の反応過程が反応速度を支配していることが示唆された. そこで, 本年度は吸着分子の光活性化過程の促進を検討した. 光活性化過程を促進する手段として, 利用できる光の波長領域を拡大することが挙げられる. これまで用いてきた二酸化チタンは可視光を吸収できない. 可視光を利用できる触媒を開発できれば, 光活性化過程が促進され, 脱硝性能が向上すると期待できる. そこで, 本研究では, 可視光を吸収できる色素とTiO2との複合化による可視光応答光触媒の開発を検討した. 複合化に用いる色素として, 可視光域にソーレ帯及びQ帯と呼ばれる吸収をもつポルフィリン分子を選択した. ポルフィリンで修飾した二酸化チタン光触媒の脱硝性能を評価したところ, 本触媒は可視光照射のみで高い脱硝性能を示すことを見出した(NO転化率66%, ガス空間速度50,000 h-1). 紫外可視分光法により, 触媒の吸収特性を評価したところ, 可視光域にポルフィリンに由来する吸収が観察されたことから, 狙い通り, 色素が光を吸収することで反応が進行しているものと考えられる. また, 修飾に用いる色素のスクリーニングの結果, ルテニウム系色素が非常に高い活性を示すことを明らかにした. ルテニウム系色素の担持量及び担持条件の最適化の結果, ガス空間速度100,000 h-1の条件で可視光照射下NO転化率99%, N2選択率99%を達成した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究は, 実用レベルの高いガス流速条件下(ガス空間速度100,000 h-1)で, アンモニアを還元剤として用いたNaの選択還元(アンモニア脱硝, NH3-SCR)に高活性化な光触媒開発を目的としている. 当該年度に実施した研究により, 色素修飾二酸化チタン光触媒が非常に高い活性を示すことを見出した. 触媒の最適化の結果, 色素修飾二酸化チタン光触媒は目標のガス流速条件下にて, 実用条件で使用できるレベルの脱硝性能を示した(NO転化率99%, N2選択率99%). 上記の通り, 目標を上回る活性を示す触媒開発に成功したとう点で, 当初の計画以上に進展したと判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は, 色素修飾二酸化チタン光触上でのアンモニア脱硝の反応機構の解明を目標として, 種分光法を用いて固体表面上での各ガスの吸着および光活性化過程の追跡を行う. また, 触媒の安定性や被毒ガス(SO2やH20)存在下での触媒性能についても併せて検討する.
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Research Products
(9 results)