2013 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙の加速膨張と重力理論の理論的研究および観測的検証
Project/Area Number |
12J06424
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 蘭平 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 修正重力理論 / 観測的宇宙論 |
Research Abstract |
Ghost-freeなmassive gravityの理論としてde Rham-Gabadadze-Tolley (dRGT) massive gravityが知られているが、この理論はアインシュタイン・ヒルベルト作用と質量項で表される。最も一般的なSpin-2の重力理論まで考えると微分相互作用に対応する項を足せる可能性が残っていた。そこで、申請者らは最も一般的な有質量重力理論の構築を行うため、理論がローレンツ不変かつdRGT理論と同じカットオフエネルギースケールを持つという仮定の下でリーマンテンソルを用いた最も一般的な微分相互作用を導出した。その結果、リーマンテンソルを用いた微分相互作用に関してはBoulware-Deserゴーストが現れることを証明した。 また、上記のdRGT massive gravityに対称性を課すことで新たなスカラー場を導入したQuasi-dilaton理論に関する研究を行った。この理論におけるdecoupling limitと呼ばれる有効理論でVainshtein機構の効果を取り入れると漸近的にミンコフスキー時空に近づくような解では必ずゴーストが現れることを解析的に証明した。また、この有効理論でのド・ジッター解に関する研究も行った。このド・ジッター解は上記の解とは異なり、重力子の全てのモード(テンソル、ベクトル、スカラー)が安定であることを明確に示した。 更に、dRGT massive gravityのdecoupling limitを共変化した"Proxy理論"における宇宙論に関する研究も行った。この理論は最も一般的なスカラー・テンソル理論であるHorndeski理論の中に含まれる。 Horndeski理論においてはラグランジアンに4つの任意関数が存在するが、この任意関数はProxy理論では決まった形を持つ。先行研究ではProxy理論ではde Sitter解が存在することが証明されていた。そこで、更に詳しい解析を行った結果、この理論におけるde Sitter解を得るには初期条件の微調整が必要であることがわかった。また、de Sitter解はアトラクターではなく、Minkowski解がアトラクターとなることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(8 results)