2014 Fiscal Year Annual Research Report
テンサイOwen型細胞質雄性不稔性に働く新規花粉稔性回復遺伝子の研究
Project/Area Number |
12J06444
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
本間 雄二朗 北海道大学, 農学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 細胞質雄性不稔性 / 稔性回復遺伝子 / テンサイ / 育種学 |
Outline of Annual Research Achievements |
テンサイOwen型細胞質雄性不稔性(CMS)には複数の花粉稔性回復遺伝子(Rf)が関わるが、その遺伝子クローニングはRf1を除いてなされていない。Owen型CMSに対するRfが複数あるのならば、それはいかなる機能を持つ遺伝子であるのか、また、いかなる機構により花粉稔性を回復させるのか興味深い。申請者はRf1とは異なる、花粉稔性回復に寄与する単一の遺伝因子Rf2を遺伝学的に同定している。Rf2の分子的実態を明らかとし、その機能および作用機序を解明することを目的としている。平成26年度は、前年度同定したRf2候補ORFであるORF8の機能を明らかとするため、CMV35Sプロモーターに連結した構成的発現コンストラクトを作製したが、なぜか形質転換体が得られなかった。それゆえ、熱ショックタンパク質のプロモーターに連結し、高温ストレス下でのみ強発現するコンストラクトを導入し、形質転換体を得た。また、ORF8ゲノム断片を形質転換したCMSテンサイは、春化処理の後開花させた。RT-PCRにより花芽での導入ORFの発現を確認したが、稔性回復は確認できなかった。形質転換系統は稔性回復への応答が小さい事が事前に明らかであり、Rf2の応答性が高い系統と掛け合わせにより後代種子を得た。今後、この集団の稔性調査を行う。また、Rf2による稔性回復機構の調査のため、正常葯、不稔葯、Rf1およびRf2稔性回復葯を用いてRNA-seqにより全葯転写産物の発現を比較解析した。すると、Rf1回復葯は正常葯に似ておりRf2回復葯は15個の転写産物を除き不稔葯に似ていた。この結果はRf2の稔性回復機構がRf1とは異なる事およびRf2による回復に必要な遺伝子を絞り込んだ事を示唆する。Rf2の作用とこれら15個の遺伝子の直接的な関係の解明が今後の課題となったが、もし明らかとなればCMS現象の分子機構の理解に近づくだろう。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)