2014 Fiscal Year Annual Research Report
稈・葉鞘のデンプン量が減少したイネ突然変異体を用いた糖・デンプン蓄積機構の解明
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12J06490
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡村 昌樹 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | イネ / デンプン / 非構造性炭水化物 / 分げつ角度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、葉鞘でのデンプン合成が抑制されたイネ突然変異体(agpl1)を用いて、イネの茎葉部での余剰炭水化物蓄積機構とその生育及び生産性上の意義を明らかにすることを目的としている。agpl1はデンプン合成の鍵酵素として知られるADP-Glucose pyrophosphorylase(AGP)をコードし、主に茎部で発現するとされている遺伝子であるOsAGPL1を欠損した変異体である。 昨年度はOsAGPL1と同じく、AGPをコードし、茎葉部で発現するとされているOsAGPL3を欠損した変異体(agpl3)とagpl1を交配し、OsAGPL1とOsAGPL3の両者を欠損した二重変異体(agpl1/3)を作出したところ、agpl1/3はagpl1よりもさらに茎部のデンプン濃度と重力応答性が低く、分げつ角度はagpl1よりさらに増大していることが明らかとなった。またagpl1/3は生育や乾物生産能力は野生型とほとんど差がなかった。そこで本年度はこのことの再現性を確認するため、agpl1/3生育および乾物生産能力を再度調査する予定であったが、天候不良により、信頼に足るデータが得られなかった。 また昨年度までの結果から、葉身においてデンプン濃度が低下するagpl3では、野生型イネと比較して、光環境が良好な栽培条件下においてのみ収量が低下することが明らかになっていた。そこで本年度はこの原因を明かにするため、agpl3の幼植物を様々な光環境下で栽培し、その初期生育や光合成速度を測定した。その結果、イネの葉身におけるデンプン蓄積は、光環境が良好な時の高い光合成の維持、すなわち光合成のフィードバック制御において重要な役割を担っていることが示唆された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)