2014 Fiscal Year Annual Research Report
複数の同位体分析を組み合わせた食性解析法 -西アジア先史時代の集団識別への応用-
Project/Area Number |
12J06510
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
板橋 悠 東京大学, 総合研究博物館, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 新石器時代 / 同位体比分析 / 食性復元 / 放射性炭素年代測定 / 骨コラーゲン / 人骨 / トルコ / 国際研究者交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではティグリス川上流域の先史時代集団の適応と推移の解明を目的とし、トルコ南東部の遺跡出土人骨の同位体分析による食生態の調査を行っている。今年度は筑波大学調査隊の行ったトルコ南東部、ハサンケイフ・ホユック遺跡の発掘調査への参加し、人骨、動物骨のサンプリングを行った。またイスタンブール大学によって発掘調査が行われているアシュックル・ホユック遺跡の試料のサンプリングを行った。 これらの遺跡に加えて昨年度までの調査でサンプリングを行った出土骨試料で骨コラーゲンの炭素・窒素同位体分析を行い、各遺跡集団の食生態の解析および年代測定を進めている。 また海洋研究開発機構との共同研究として、これらの遺跡出土骨試料をガスクロマトグラフィ同位体質量分析計によってアミノ酸窒素同位体比分析を行った。アミノ酸の窒素同位体比分析は従来の骨コラーゲンの炭素・窒素同位体分析に比べて、ヒトが利用した食物が由来する生態系の識別に優れており、本研究ではこの特徴を用いてティグリス川上流域の先史集団の時代差と河川環境への適応を評価した。 また考古試料でのアミノ酸の窒素同位体比分析と並行して、本研究では古代骨試料から抽出したアミノ酸の炭素安定同位体分析と年代測定法の開発を行った。本研究では液体クロマトグラフィを用いた自然試料からのアミノ酸の単離・精製方法を開発し、炭素安定同位体分析と放射性炭素年代測定における有効性を検討した。本手法では単離後のアミノ酸の精製処理を改良し、より正確なアミノ酸の炭素同位体比分析を目指したものであり、本手法は今後の遺跡試料への応用が期待される。 26年度は本研究の成果を日本有機地球化学会、日本人類学会、日本西アジア考古学会、国際動物考古学会などの査読付学会、及び国際シンポジウム2件で報告した。 またGeochemical journal誌、日本動物考古学会誌への投稿や遺跡発掘報告書の作成を行った。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(9 results)