2013 Fiscal Year Annual Research Report
TSLP依存性アトピー性皮膚炎の分子免疫・病理学的な解析
Project/Area Number |
12J06539
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
久保 輝文 札幌医科大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / ケラチノサイト / detlaNp63 / p53ファミリー転写因子 / TSLP |
Research Abstract |
近年、アトピー性皮膚炎の患部表皮角化細胞においてThymic Stromal Lymphopoietin (TSLP)が高産生されることが知られるようになり、病態形成との関わりが注目されている。平成24年度に我々はアトピー性皮膚炎の表皮角化細胞のin-vitroモデルおよび病理組織検体を用いて、TLR3リガンドがdeltaNp63の発現抑制を介して表皮の炎症環境を増幅するTSLP自己分泌・傍分泌経路を制御しうることを明らかとした。平成25年度は表皮ケラチノサイトにおいてdeltaNp63の制御を受ける分子のさらなる探索とdeltaNp63とともに他のp53ファミリー転写因子がアトピー性皮膚炎においてTSLP産生に果たす役割について検討を行った。 RNA干渉法を用いたin vitroにおける検討で、deltaNp63は上皮バリアを構成するある種のバリア関連蛋白を制御することが分かった。また、アトピー性皮膚炎の表皮では健常表皮と比較してこの蛋白が広範に発現していることが病理組織検体を用いた免疫染色から明らかとなった。これはアトピー性皮膚炎の表皮においてdetaNp63の発現が低下しているとする我々のこれまでの検討と合致するものである。 さらに、アトピー性皮膚炎の表皮から採取された病理組織検体を我々が作成したある種のp53関連転写因子を特異的に染色する抗体を用いて染色した結果、アトピー性皮膚炎の表皮において当該転写因子が健常表皮と比して広く発現する傾向にあった。また、初代培養ケラチノサイトに対するTLR3リガンド刺激はTSLPの発現を増強すると同時に当該転写因子の発現増強を誘導した。以上より、この転写因子がTSLPの発現調節に関わっている可能性を考え、in vitroにおける強制発現系を用いた検討を進めている。本研究によって、表皮においてp53ファミリー転写因子が自然免疫経路によって発現調節され、表皮におけるサイトカイン環境およびバリア機能を規定しうることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
deltaNp63をはじめとするp53ファミリー転写因子が表皮ケラチノサイトの生体防御機能にかかわる幅広い遺伝子の発現を調節する可能性を示した点については予想通りの進行である。アトピー性皮膚炎におけるその機能的意義の詳細についてはいまだ検討中であるが、総合的にはおおむね順調と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
p53ファミリー転写因子がTSLPの発現に与える影響について検討を進めていく。p53ファミリー転写因子はアポトーシスに関連する分子であることから、強制発現が困難な可能性がある。さまざまな強制発現の方法を検討するとともに強制発現が困難な際にはRNA干渉法を用いた遺伝子ノックダウンを用いることも考慮される。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] High Expression of CD109 Antigen Regulates the Phenotype of Caneer Stem-Like Cells/Cancer-lnitiating Cells in the Novel Epithelioid Sarcoma Cell Line ESX and Is Related to Poor Prognosis of Soft Tissue Sarcoma.2013
Author(s)
Emori M, Tsukahara T, Murase M, Kano M, Murata K, Takahashi A, Kubo T, Asanuma H, Yasuda K, Kochin V, Kaya M, Nagoya S, Nishio J, Iwasaki H, Sonoda T, Hasegawa T, Torigoe T, Wada T, Yamashita T, Sato N.
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Journal Title
PLoS One.
Volume: 8
Pages: e84187
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Edopically expressed variant form of sperm mitochondria-assodated cysteine-rich protein augments tumorigenicity of the stem cell population of lung adenocarcinoma cells.2013
Author(s)
Takahashi A, Hirohashi Y, Torigoe T, Tamura Y, Tsukahara T, Kanaseki T, Kochin V, Saijo H, Kuboi T, Nakatsugawa M, Asanuma H, Hasegawa T, Kondo T, Sato N.
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Journal Title
PLoS One.
Volume: 8
Pages: e69095
DOI
Peer Reviewed