2013 Fiscal Year Annual Research Report
フレキシブル基板上における歪みSiGe擬似単結晶の創製と高速薄膜デバイスへの応用
Project/Area Number |
12J06549
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
朴 鍾ヒョク 九州大学, 大学院システム情報科学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ゲルマニウム / フレキシブル デバイス / 金属有機層交換成長法 / 低温結晶成長 / 結晶方位制御 / 擬似単結晶 / 高移動度薄膜トランジスター |
Research Abstract |
本研究は, 次世代情報通信機器であるフレキシブル・システム・イン・ディスプレイの創製を目指し, プラスチック基板上における高速動作薄膜トランジスターの実現を目標としている. 研究代表者は, 軟化温度の低い(~250℃)材料であるプラスチック基板での高移動度歪みシリコンゲルマニウム(SiGe)擬似単結晶を形成するため, 「歪み印加用Geバッファ層の低温形成法」及び「低温エピタキシー法」を融合したアプローチの計画し, 検討を行なっている. 本年度は, 昨年度Gと続き, 実現の鍵となる「歪み印加用Geバッファ層の低温形成」の高度化に注力した. これ迄に「Au誘起低温層交換成長法」での多結晶Ge薄膜の大粒径化・方位制御を目指し, a-Ge/Au界面にAl_2O_3拡散制御層を挿入の効果を検討して来た. その結果, 拡散制御層の膜厚を最適化(Al_2O_3厚 : ~7nm)することにより, 成長時の界面核発生の優先化及び界面エネルギーの最小値に起因する大粒径(>20μm)かつ(111)面方位に優先配向したGe結晶が実現することを明らかにした. 更に, 核発生サイトでの界面エネルギーの変調を試み, 下地基板界面にAl_2O_3(厚 : 30nm)の挿入を検討したところ, 同手法にて, Ge結晶の面方位を(100)に制御することに成功した. Ge擬似単結晶の成長における粒径・面方位制御の指針を明確にした成果であると考えられる. これらの知見の基, フレキシブル基板であるポリイミド基板上での成長実験を行った. ポリイミド基板上及び界面エネルギー変調層(SiO_2, 厚 : 100nm)を挿入したポリイミド基板上にa-Ge/Al_2O_3, 拡散制御層/Auの構造を作製・成長させることにより, 大粒径(>50μm)かつ(111)配向したGe結晶を実現した. 本手法によるフレキシブル基板上の成長を実証した結果であり, 上記で確立した粒径・面方位制御法がフレキシブル基板での良好なGe結晶成長に有効でる事を示す成果である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で計画したアプローチを実行していく過程において, フレキシブル基板上の歪みGeバッファ層の低温形成技術は, 研究の出発点となる鍵技術である. そこで, 本年度の成果である大粒径・(111)-, (100)-Ge結晶の選択成長技術の確立及びフレキシブル基板での大粒径・(111)-Ge成長を実証した成果は大きな意味を持つ成果であると言える. 今後の研究の進捗を加速すると期待する.
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Strategy for Future Research Activity |
現在, フレキシブル基板上において大粒径Geの面方位を(111)に制御を実証していると共に, (111)面だけでなく, (100)面方位に結晶面方位を自由に制御する技術を確立している. そこで、今後は, これらの結晶薄膜の電気的特性や不純物濃度等の物理特性を明らかにする並びに低温SiGeエピタキシャル成長などを検討する予定である.
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Research Products
(14 results)