2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J06611
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 俊資 東京工業大学, 大学院理工学研究科(工学系), 特別研究員(DC1)
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Keywords | リビングアニオン重合 / ジビニルベンゼン類 / 選択重合 / 金属アルコキシド |
Outline of Annual Research Achievements |
ジビニルベンゼン(DVB)に代表されるジビニルモノマーの重合は、一般に成長と架橋が同時に進行するため急速にゲル化が進行するとされ、その制御は非常に困難であった。近年我々は、p-DVBの重合系に大過剰のカリウムアルコキシドを添加すると、側鎖ビニル基への副反応が著しく抑制され重合がリビング的に進行し、設計通りの一次構造を有する可溶性のポリマーが定量的に得られることを見出した。本年度は1. p-DVBのリビングアニオン重合における反応溶媒の影響、ならびに2. ジビニルモノマーの共役系の長さに由来する影響を明らかにすることを目的に研究を行った。また生成ポリマーの性質にも着目し、3. 種々の求核剤をポリマーと反応させ、ポリ(p-DVB)の側鎖ビニル基が高い反応性を保っていることを検証した。 1 : これまでは極性溶媒のTHF中で塩を添加して重合した場合にのみ、著しい副反応抑制効果が確認されていた。そこで新たに非極性溶媒であるトルエン中で重合を行ったところ、THF中で反応させた場合よりも成長速度が低下するとともに、反応中に副反応が頻発する傾向が見られた。添加剤としてカリウムヘキサメチルジシラジドを添加すると、反応速度は上昇したが反応の選択性は大きく変化しなかった。現時点では非極性溶媒中で重合が制御される条件は見出されていない。 2 : DVB類よりも長いπ共役系を持つジビニルナフタレン類を新たに合成し、DVBと同様の条件下で重合した。その結果、共役系を伸長することによりモノマーのアニオン重合性は向上する一方で、生成する鎖末端カルバニオンの求核性は低下する挙動が見られた。またこれらの化合物は、適切なモノマー設計と反応条件の選択を行えば、重合が選択的かつリビング的に進行することを見出した。 3 : ポリ(p-DVB)に過剰のsBuLiまたはリビングポリスチレンを加えると、高効率で付加反応が進行し求核種残基が導入された。側鎖ビニル基は求核種に対する高い反応性を有しているとともに、この手法によりポリ(p-DVB)に種々の官能基やグラフト鎖を導入できることが見出された。
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Research Progress Status |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
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Research Products
(7 results)