2014 Fiscal Year Annual Research Report
分子実体に基づく自律神経調節機構を備えた循環動態モデルの構築
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12J06615
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
姫野 友紀子 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 循環モデル / 心室筋細胞 / CICR / 局所Ca制御説 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、アセチルコリンによるペースメーカー細胞の発火頻度調節に関するモデルの作成と毛細血管モデルの精緻化の2テーマについて研究を進める予定であったが、循環モデルをより実用的なものにするために新たなヒト心室筋細胞モデルの開発を避けては通れないという結論に達し、ヒト心室筋細胞モデルの開発に取り組んだ。その成果について以下に報告する。 近年蛍光Ca2+インジケーターを用いた計測によって新しい知見が次々と明らかになっている。我々は、この近年得られた実験結果に照らし合わせCICRモデルを新しくモデル化することで非常に重要な細胞の実験所見を新たに再現することができた。CICRモデルを構築するうえで、最も重要だったのは局所Ca濃度を瞬時平衡の式であらわし、L型CaチャネルとRyRチャネルのゲーティングを共役モデルとして表現することで初めて、計算コストを大幅に削減することに成功したHinchモデル(Hinch et al. 2004)の導入である。共役モデルは、LCCの膜電位依存性ゲート、Ca依存性不活性化ゲート、RyRの集合体としてのcouplonの活性化ゲート、この3つのゲートを連結した2の3乗の8状態モデルになっている。LCCのCaゲートとcouplonゲートはCa00, CaL0, Ca0R, CaLRと表現されるゲートの活性化を制御するnanodomainのCa濃度によって開閉が制御される。このモデルを用いて、局所Caを忠実に再現しつつ活動電位を発生し、しかも循環モデル等で収縮を計算するうえで非常に重要なCa濃度変化の時間経過も完全な確率論的計算で得られた結果とほぼ一致するシミュレーション結果を得ることが可能となった。これは最終目標である分子実態に基づく全身循環モデルの重要なパーツの一つとして、大変意義のある研究成果となった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)