2014 Fiscal Year Annual Research Report
系統誤差0.5%を目指すニュートリノ混合角θ_13の超精密測定
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12J06812
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
松原 綱之 首都大学東京, 理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 素粒子実験 / ニュートリノ |
Outline of Annual Research Achievements |
本実験は国際共同実験Double Choozにおいて、ニュートリノ混合角θ_13の精密測定を行うことを目的とする。混合角は質量と同じく、ニュートリノの性質を示す重要なパラメータである。近年、本実験をはじめとする原子炉ニュートリノ振動実験や加速器ニュートリノ振動実験により、θ_13が有限値を持つことが示された。有限値を持つことが明らかになった今、将来のCP非保存パラメータ測定実験に向けて、その精密測定化の意義は高まっている。 本研究ではθ_13測定精度向上のために、ニュートリノフラックスとエネルギー再構成精度に由来する系統誤差の削減を目標に掲げた。採用初年度は、エネルギー再構成の改善を重点的に行い、新しい手法を開発することで系統誤差の削減に成功した。採用二年目は、ニュートリノフラックスの系統誤差を削減すべく、前置検出器の建設を行った。また同時に、後置検出器のみでの解析結果の改善に寄与してきた。 最終年度にあたる昨年は、オフラインツールとデータ処理グループ責任者としてその開発管理を担当するとともに、高電圧電源装置などの残る測定装置の設置を完了した。完成した前置検出器の試運転や初期データ解析を共同研究者と協力して行い、前置検出器でのニュートリノ信号観測に成功した。また、後置検出器のみでの解析の最終結果をまとめ、論文投稿を行った。改善された解析手法と前置検出器の完成によって、目標とする精度でのθ_13測定の実現可能性が示された。二基の検出器でのデータ取得を今後も続け、必要となる統計量を得ることによって、θ_13の精密測定がまもなく達成される見通しである。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
松原綱之, Emmanuel Chauveau,「Double Chooz実験の現状と今後」 高エネルギーニュース, 第33巻3号, 2014.
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Research Products
(3 results)