2013 Fiscal Year Annual Research Report
複数の自律型海中ロボットの連携による海底広域探索手法の開発
Project/Area Number |
12J06829
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松田 匠未 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 自律型海中ロボット / マルチロボット / パーティクルフィルター / 自己位置推定 / ナビゲーション |
Research Abstract |
本研究では複数の自律型海中ロボット(AUV : Autonomous Underwater Vehicle)が連携して効率的に海底を観測する手法の開発を進めている. 海底観測のためには自己位置を正確に推定しつつ行動することが必要となる. これまでは移動しない固定基準局の周囲を単体で観測する手法が行われているが, 基準局によって観測範囲が制限されることが問題であった. 本研究では二台のAUVを展開し, 一方が他方の位置推定のための基準局となり, 基準局を交互に交代することで, 広域にわたる海底観測を実現する. 本年度に開発した項目を以下に示す. 1)着底装置の設計・開発 : 基準局となるAUVは移動AUVの基準となるため, 海底で潮流や外乱等に対して安定している必要がある. しかし移動の際, AUVは中正浮力(浮きも沈みもしない状態)であると移動しやすく望ましい. 基準局と移動中の相反する2つの浮力状態を達成するために, AUVが海底付近で自律的に浮力を調整するシステムの設計・開発を行った. 本装置はジャバラ状の風船, 油, 油をくみ上げるポンプと制御回路で構成される. 油を風船に送ることで風船が膨らみ, 浮力を獲得し移動しやすくなる. 逆に油を風船から戻すことで風船が縮み, 浮力を減少させて着底する. 本装置開発のため補助金を活用した. システムは完成し, 最終的な調整試験を行う予定である. 2)二台のAUVへの手法の実装 : 昨年度までに移動AUVの位置推定手法, 少ない情報量で正確に推定情報を共有する手法, 音響通信による二台の制御手法の開発・検証を進めてきた. 二台のAUV "Tri-Dog 1"と"Tri-TON"に手法を実装し, 実海域実験を実施し, 手法の有効性および性能評価を行った. 今後は手法の改良および二台が連携するための音響通信システムの見直しを行い, 広域観測の実証試験を行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで開発を進めてきた要素手法(位置推定・推定情報の共有・制御)を二台の実機に実装し, 海域試験を通じてナビゲーションを実施できたためである. また海域での実験データをもとに手法の有効性や改良点も検証できた.
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Strategy for Future Research Activity |
海域実験の結果解析を通じて手法全体の改良を進める. 二台間の通信に水中では音を使うため, 海底や水面の反射によってデータ通信に支障をきたす問題が発生している. データ通信の安定性を向上させるため, 通信装置の処理の改良を進めている. これらの改良を完了させ, 二台での最終的な実証試験を実海域にて行う予定である.
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Research Products
(4 results)