2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規シグナル分子ニトロcGMPによるオートファジー誘導機構の解明と創薬への応用
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12J06857
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 千秋 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | cGMP / S-グアニル化 |
Research Abstract |
当研究室のこれまでの研究で、内因性化合物であるニトロcGMPはタンパク質分解機構の一つであるオートファジー活性能があり、細胞に感染した細菌の排除を促進することがわかっている。その詳細なメカニズムを明らかにするため、ニトロcGMPによるタンパク質修飾反応(S-グアニル化反応)とオートファジー誘導の関係性を検証した。 S-グアニル化修飾ありのタンパク質となしのタンパク質でそれぞれコートさせたラテックスビーズを細胞に取り込ませ、オートファジーによる認識の割合を、ビーズ周囲へのオートファジーのマーカータンパク質LC3の集積により検証した。結果、S-グアニル化修飾ありのタンパク質をコートさせたラテックスビーズは、修飾なしのタンパク質をコートさせたラテックズビーズよりも高い割合でオートファジーに認識されることがわかった。また、細胞に感染させた細菌の表面がS-グアニル化されることがS-グアニル化を認識する抗体を用いた免疫染色でも明らかになり、菌感染系におけるS-グアニル化とオートファジーの関係についてさらなる解明を急いでいる。 オートファジー誘導化合物は、感染症に加えてパーキンソン病や八ンチントン病等の神経疾患に対する薬として期待されている。ハンチントン病モデル細胞(ポリグルタミン発現、アグリゲート形成細胞)でも誘導体の活性を評価するために、実験系を立ち上げた。今後実験条件を整え、菌の排除能に加えてアグリゲート排除能も評価していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で目的としていた、化合物の生理活性と化合物による修飾反応に深い関連性を認めることができたため。誘導体の合成、活性評価も開始できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
菌表面で何がS-グアニル化されているか、S-グアニル化を認識するアダプタータンパク質は何かを明らかにする必要がある。はじめは、菌の排除に関与するとしてすでに知られているアダプタータンパク質をノックアウト・ノックダウンした時の影響を見ることから始める。
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Research Products
(3 results)