2012 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリートの破面解析の体系構築と実構造物界面の力学特性値向上への応用
Project/Area Number |
12J06903
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
佐藤 あゆみ 熊本大学, 自然科学研究科, 助教
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Project Period (FY) |
2012 – 2013-03-31
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Keywords | コンクリート / 破面解析 / 界面 / HPFRCC / UHPFRC / 補修 / 凍害 / 埋設型枠 |
Research Abstract |
本年度の研究目的は,コンクリートの破壊機構を考慮して実構造物界面の付着性能を向上させ,コンクリート構造物の補修・補強工事の効果を高めることである。本年度は(1)凍害を受けたコンクリートの補修実験と(2)UHPFRC薄肉埋設型枠の開発を実施した。 (1)凍害を受けたコンクリートの補修実験 岐阜大学・六郷恵哲教授のもと,凍害を受けたコンクリートを対象に補修方法を検討し,再劣化しにくい補修方法を提案した。実験では,一面のみ凍害劣化したコンクリート供試体を作製し,劣化面に対して深さの異なるウォータージェット処理と種類の異なる補修材を用いて補修を行った。補修後の再劣化挙動を考察した結果,ウォータージェットによって劣化部をより深く除去した場合に,補修後の再劣化進行が小さいことが明らかになった。補修材として性能が優れていた材料は,ポリマーセメントモルタルと複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材(HPFRCC)であった。これまで,実際に凍害を受けた試験体の補修を行った例は見られず,本研究成果は貴重な実験データとなった。 さらに,破面解析の知見を応用したことに特徴があり,補修前の母材の凹凸度が補修効果に大きな影響を及ぼすことが明らかになった。 (2)UHPFRC薄肉埋設型枠の開発 スイス連邦工科大学・Eugen Bruhwiler教授のもと,構造物の補修に用いるUHPFRC(超高性能繊維補強モルタル)製の薄肉埋設型枠の作製に着手し,埋設型枠とコンクリート躯体との付着強度向上策を検討した。実験と有限要素解析の結果,UHPFRCの裏あしとして凹凸部を作製した場合に付着強度が向上した。その理由として,凹凸部の効果は界面の付着面積を増やすだけで無く,凸部のコンクリート部に対する引抜きだぼ効果が影響することを確認した。本実験でも破面解析の知見を応用して,埋設型枠の裏あしの凹凸形状を定量的に評価し,裏あし形状と強度との関係を明らかにした。
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Research Products
(12 results)