2012 Fiscal Year Annual Research Report
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12J06948
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宋 俊煥 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 都市計画 / エリアマネジメント / 公共交通指向型開発 / TOD / 鉄道駅 / 郊外 / 東京30km圏 / 柏市 |
Research Abstract |
平成24年度は、主として郊外都市の鉄道駅周辺地区を中心に現地調査を実施し、収集した調査データを基に、鉄道駅を中心とするTOD型エリアマネジメントの役割と課題の整理を行った。 まず、鉄道駅周辺地区が抱えている課題の実態把握について、首都圏整備計画により整備されてきた東京3Okm圏の都市に着目し、TODの観点から評価指標を体系化し、それに基づき152ヶ所の鉄道駅周辺地区の評価・分析を行った。具体的には主成分分析により4つの特性軸を明らかにすると共に、クラスター分析による7つの類型化と、類型別の特徴と課題を整理した。即ち、郊外都市の鉄道駅周辺地区においてTODを促進するために、(1)駅利用者に対応するエリアマネジメント活動、(2)人口・都市機能の集積と公共交通計画との緊密な連携マネジメント手法の導入、(3)駅間都市機能の分担に基づく連携ゾーン構築等、の必要性を提示した。 次に、日本の鉄道駅周辺地区におけるエリアマネジメントの実態把握のため、全国の38か所の鉄道駅周辺地区のエリアマネジメント活動に着目し、現地調査やヒアリング調査等を実施した。具体的には鉄道駅やその周辺空間の利活用の観点により6グループに類型することができた。また、各類型の代表事例を抽出し、比較分析を行い、各事例のエリアマネジメント手法の特徴を明らかにすると共に、今後の課題を提示した。その分析の結果として(1)地区の成熟化の程度と都市規模により鉄道駅周辺地区のエリアマネジメント組織の主体と手法が異なっている特徴と共に、(2)不足している公共交通の利便性の観点からのエリアマネジメント活動の充実、(3)地区の問題解決だけではなく経済的観念を導入した活動への転換等、の必要性を提示した。 更に、鉄道駅を中心とした2つの異なるタイプの拠点地区を有している柏市に着目し、変遷にみる鉄道駅周辺地区の特徴と実践的調査に基づく今後のエリアマネジメントの課題を整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度(平成24年度)は、日本における公共交通指向型開発(TOD)の観点からの鉄道駅周辺地区の実態と、鉄道駅周辺地区で実施されているエリアマネジメントの実態を明らかにすると共に今後の課題等を整理し、各種の論文掲載や受賞等、良い成果を出したと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度には、TOD型都市計画と低炭素化との関係性を検証し、そのためのエリアマネジメントの課題と有効性を明らかにするため、TOD型都市計画とエリアマネジメント活動が統合的に実施されている海外の現地調査を行い、日本に適したTOD型エリアマネジメントのモデルを提案する。また、日本のTOD型都市計画を促進するための鉄道駅周辺地区の空間構成やデザインを規範化を行い、今後の都市計画の有効な方策を提示する。
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Research Products
(4 results)