2013 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル解析によるシングルスピン非対称の統一的解明
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12J06959
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| Research Institution | Niigata University |
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Principal Investigator |
金沢 功一 新潟大学, 自然科学研究科, 特別研究員(PD)
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| Keywords | 高エネルギーハドロン反応 / 摂動論的量子色力学 / 高次ツイスト / スピン非対称 |
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| Research Abstract |
高エネルギーハドロン反応において観られる横シングルスピン非対称(SSA)の研究に取り組んだ。SSAは、これまで高エネルギー過程の記述に用いられてきたパートン模型によっては説明できないため、パートン描像を超えたハドロンの構造を反映した興味深い現象として注目されている。本研究では、量子色力学を起源とするツイスト3・パートン間量子的多体相関の効果に着目し、スピン非対称への寄与についての研究を行った。
はじめに、終状態ハドロンについての相関を現すツイスト3破砕関数のSSAへの寄与についての定式化を行った。まず、摂動的なハード断面積に量子色力学のWard-高橋恒等式を用いる事で、ツイスト3断面積が明確にカラーゲージ不変な形に帰着する事を示し、共変ゲージにおける計算手法を確立した。次に、それを電子陽子衝突過程に適用し、スピン依存断面積の公式を導いた。また、低横運動量領域で有効な他の公式との関係を明らかにするため、断面積公式の漸近形を導いた。これらの成果は、近い将来に計画されているEIC実験との比較により、SSAの起源の解明に寄与できると期待される。
上述の手法は、SSAに限らず他のゲージ不変なツイスト3観測量を計算できる一般的なものである。その一つの応用として、陽子陽子衝突でのオープン・チャーム生成の縦横ダブルスピン非対称のスピン依存断面積を導いた。この過程ではツイスト3グルオン相関関数が支配的な寄与をすると考えられるため、陽子中のパートン相関の新たな知見が得られるものと期待される。
また、軽い中間子生成過程のSSAに対する3グルオン相関の寄与について、RHICエネルギー領域におけるスピン非対称への寄与を数値的に評価した。相関関数のサイズ・振舞いによって、この運動学的領域で無視できない寄与がある事を明らかにした。
以上の研究成果は、量子色力学に基づいたSSAの記述の基礎となる重要な成果である。
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| Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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