2012 Fiscal Year Annual Research Report
品質管理におけるPrincipal Pointsに関する研究
Project/Area Number |
12J06963
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山下 遥 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | Principal Points / 多変量2値分布 / 判別分析 / データ解析 / 多変量解析 |
Research Abstract |
2012年度では,品質管理の抜き取り検査において,どの部品をサンプルに取るかの決定問題を扱い,そのために時間によるPrincipal Pointsの変化の大きさを定量的な表現に関する研究を展開する予定であった。 しかしながら、この問題を解決することは想定していたより非常に困難であることから、当初2013年目に予定していた部品の多次元2値データから良品・不良品の部分空間の推測問題に対する解析方法の確立を2012年度に行った。これは、2値の目的変数(例えば、良品・不良品や、倒産・非倒産など)を持ち,さらに、その説明変数も2値型のカテゴリーを持つ場合のデータに焦点を当て,2値型Principal Pointsに判別分析の要素を組み込んだ解析方法である。 ただし、この方法は、通常の判別手法とは違い、良品・不良品の空間の違いを,求めるべきPrincipal Pointsに対して最大限に反映させることで、それぞれのカテゴリーにおける特徴的な点を表すところに特徴がある。これにより、「良品・不良品どちらの空間においてもよく出現する説明変数のパターン」ではなく、「片方の空間のみによく出現し、他方の空間にはほとんど出現しないような説明変数のパターン」を求めることができる。これにより、品質管理の良品・不良品の判別問題において、「不良品のデータが持つ特有のプロファイルを求めることができ、品質管理における難課題の1つに対する有効なアプローチとなるわけである。 また、このモデルは良品・不良品問題のみならず、顧客の満足・不満足や企業の倒産・非倒産などの様々な品質(特に経営品質)管理における問題に対しても適用が可能であり、2値データの新たな分析方法として期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本来であれば、時間によるPrincipal Pointsの変化の大きさを定量的な表現に関する研究を展開する予定であったが、予定を変更して2013年度の研究課題であった「判別を考慮した2値型Principal Pointsの研究」を遂行した。これは、順調に遂行することができたことから、順調な進展という評価をした。
|
Strategy for Future Research Activity |
2値型Principal Points研究を展開する上で、今まで適用していた近似解法では、かならずしも十分な近似解を得られていないことがわかった。これに対して、更なる近似精度の改良をめざすための新たな近似解法の提案をしていく。また、Prineipal Pointsの回帰への応用や、3値以上のカテゴリカルデータにおけるPrincipalPoints、3相データにおけるPrincipal PointsなどのPrincipal Pointsの応用研究を展開していく。
|
Research Products
(6 results)