2013 Fiscal Year Annual Research Report
品質管理におけるPrincipal Pointsに関する研究
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12J06963
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山下 遥 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 回帰分析 / 多水準カテゴリカルデータ / 推定問題 / 最尤推定 |
Research Abstract |
今年度は, Principal Pointsを用いた顧客満足度・サービス品質の定量化に関する研究の一貫として, スキー場の入場者数の分析モデルを構築するための2値型principal pointsを用いた重回帰分析モデルおよび, スキー場の特性を要約するための他水準のカテゴリカルな分布における2値型Principal Pointsを提案した. さらに, ファッションECサイトにおける顧客の購買行動の分析モデルを構築するためのクラスタリングを考慮したロジスティック分析モデルを提案した. これらのモデルは, 顧客がサービスに満足することの背景にある複雑な心理的メカニズムを定量的に評価する上で重要となるカテゴリカルデータの解析のための新たな解析モデルであるのみならず, 2値型Principal Pointsの応用研究としても位置づけられる. また, 今年度は, Principal Pointsを議論する上で重要な2値型Principal Pointsの推定問題に関する研究も展開した. 2値型Principal Pointsは多変量2値分布の代表点として定義されている. しかしながら, データから2値型Principal Pointsを推定しようとする際には当てはめる理論分布が存在しないため, これまでデータそのものを分布として扱っていた. この方法では, データが存在しないようなパターンに関して, その生起確率を0としてしまうことになる. これでは, 実際に発生しているデータの背後にある構造を反映した確率分布の推定値をもとに2値型principal pointsを求めることができない可能性があると考えられる. この問題に対してデータから与えられる反応パターンごとの生起確率に線形対数モデルを用いて各変数の主効果および低次の交互作用効果をモデル化することで真の確率分布を推定し, 推定された分布に基づいて2値型principal pointsを推定する方法を以下のように提案することでパメトリックな推定を可能とした. この方法は, Principal Pointsの実データへの応用の際の特にデータが少ない場合に有効なアプローチであり, 2値型Principal Points解析法の確立に貢献している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は, Principal Pointsにおいて重要な推定問題に関する研究を展開し, 非常に興味深い成果を得ることができた. また, 顧客満足度・サービス品質の定量化に関する研究として, Principal Pointsの回帰への応用や, 3値以上のカテゴリカルデータにおけるPrincipal Points,などのPrincipal Pointsの応用研究においても成果を残すことができているため.
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Strategy for Future Research Activity |
2値型Principal Points問題において現在, 残されている"最適解を求めるためのアルゴリズム"に関する研究を展開していく, また, この最適解を求めるためのアルゴリズムをもとに, Principal Pointsの解析する対象となるデータに規模を大きくし, データマイニングのための1つの手法として提案していく.
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Research Products
(7 results)